僧侶になった後輩 ツッパリ高校生たちと …
「先生を偲ぶ会」で最も多く喋ったのは、
僧侶になった後輩だったような気がします。
ウン十年ぶりの再会です。
彼は生徒会長をしたときに、
学校に迫って「能力別クラス編成」を廃止させたとのことでした。
さんざん反抗したためか、卒業式当日、
「校長に謝らないと、卒業証書を渡さない」と言われます。
大学進学に影響するかもという不安はあったけれども、
「謝ってまで、証書をもらう必要はない」と取りにいかなかったそうです。
校長の態度にあきれてしまいました。
それにしても、彼が拒否した行動もすごい。
僧侶になったのち、母校の何周年かの創立記念で、講演をしたとのことでした。
「落ちこぼれ、しかも学校に反抗した生徒でも、
こうして母校に呼ばれるんだよ」という話に、生徒たちは拍手喝采したそうです。
いろんな人たちを相手に、講演するとのことでした。
刑務所の囚人、医療関係者、学校の先生、高校生、 … 。
校長会からも、教職員組合からも依頼されたとのこと。
終末期の医療、緩和ケア、難病患者 … などの話に、
思わず聞き入ってしまいました。
高校生を相手に講演したときのこと。
ツッパリ生徒たちが、体育館の後方で円陣をつくってたむろしていたそうです。
講師の紹介に、「ボーズだってよ!!」と反応。
彼らに向かって「エイーッ!!」と、Vサインを返す。
短い生涯を閉じた、若い患者さんの話に、彼らも次第に耳を傾けていったそうです。
講演が終わると、次の授業をサボって、彼らが校門まで見送りにきたとのこと。
「坊さんの運転が危なっかしいので、見にきてやったよ」と。
彼の話には、迫力があります。
人の生死にかかわるさまざまな場に立ち会ってきたからでしょう。
ニコニコしながら笑顔で話します。
彼の背後には、多くの人たちの人生が … 。
人の心を動かす話とは、こういうものかとつくづく感服しました。
もっともっと話を聞いてみたい。