人生百年 有為自然

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有為自然 178    僧侶になった後輩  ツッパリ高校生たちと …

 

   僧侶になった後輩  ツッパリ高校生たちと …

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「先生を偲ぶ会」で最も多く喋ったのは、

僧侶になった後輩だったような気がします。

ウン十年ぶりの再会です。

 

彼は生徒会長をしたときに、

学校に迫って「能力別クラス編成」を廃止させたとのことでした。

さんざん反抗したためか、卒業式当日、

「校長に謝らないと、卒業証書を渡さない」と言われます。

大学進学に影響するかもという不安はあったけれども、

「謝ってまで、証書をもらう必要はない」と取りにいかなかったそうです。

校長の態度にあきれてしまいました。

それにしても、彼が拒否した行動もすごい。

 

僧侶になったのち、母校の何周年かの創立記念で、講演をしたとのことでした。

「落ちこぼれ、しかも学校に反抗した生徒でも、

こうして母校に呼ばれるんだよ」という話に、生徒たちは拍手喝采したそうです。

 

いろんな人たちを相手に、講演するとのことでした。

刑務所の囚人、医療関係者、学校の先生、高校生、 … 。

校長会からも、教職員組合からも依頼されたとのこと。

 

終末期の医療、緩和ケア、難病患者 … などの話に、

思わず聞き入ってしまいました。

 

高校生を相手に講演したときのこと。

ツッパリ生徒たちが、体育館の後方で円陣をつくってたむろしていたそうです。

講師の紹介に、「ボーズだってよ!!」と反応。

彼らに向かって「エイーッ!!」と、Vサインを返す。

短い生涯を閉じた、若い患者さんの話に、彼らも次第に耳を傾けていったそうです。

講演が終わると、次の授業をサボって、彼らが校門まで見送りにきたとのこと。

「坊さんの運転が危なっかしいので、見にきてやったよ」と。

 

彼の話には、迫力があります。

人の生死にかかわるさまざまな場に立ち会ってきたからでしょう。

ニコニコしながら笑顔で話します。

彼の背後には、多くの人たちの人生が … 。

人の心を動かす話とは、こういうものかとつくづく感服しました。

もっともっと話を聞いてみたい。