「おい待て !! 逃げるな !!」
学生時代。
電車から降りるとき、酔っ払いと身体がぶつかりました。
すると、相手がからんできました。
ヤバイな、と思っていると、
後輩がうしろから、「何だ!!」と声をかけます。
後輩は、身長180センチ、体重80キロはあるかと思われる巨漢。
酔っ払いは、そそくさと逃げ始めます。
そういう状況になってから、自分は、
「おい待て!! おい逃げるな !!」と後ろから、声をあびせかけました。
相手は、巨体の男が現れるとは思っていなかったのでしょう。
「後輩の威を借りる」なさけない男の話でした(笑)。
後輩は、私たちが高校を卒業したあとも、学校批判の行動を続けていました。
同じクラスのものから、
「君たちが騒ぐのは結構だけど、ぼくたちの(受験勉強の)邪魔をしないでくれ」
という趣旨のことを言われたようです。
彼はさっさと中退し、高卒認定試験を受け、有名私大の法学部へ。
ところが、法学部は不本意だったようです。
そこで、翌年、国立大医学部を受験しなおし、合格。
医者になり、公害に苦しむ人たちのための医療に取り組みます。
彼は、50代の若さで病気で亡くなりました。
体格にしても、知力にしても、行動力にしても、すごい後輩でした。
世の中で何か起きたとき、
彼だったらどうするだろうなと思います。
いま一緒に飲みたいと思う一人です。
飲んでからの笑顔と、
南沙織の曲を歌うときの彼を忘れることができません。