百まいの ドレス
月曜日の朝、
ワンダ・ぺトロンスキーは、教室の自分の席にすわっていませんでした。
でも、だれも
― ワンダをからかうことを、まっさきに思いついたペギーやマデラインさえも ―
ワンダが欠席しているなんて気がついていませんでした。
…
その翌日の火曜日も、やはりワンダは学校にきませんでした。
…
けれど、そのつぎの日の水曜日には、ペギーやマデラインも、
ワンダが休んでいることに気がつきました。
…
ワンダには、友だちはだれもいませんでしたが、
ワンダに話しかける女の子は、たくさんいました。
…
『百まいのドレス』
(エレナー・エスティス作 石井桃子約 ルイス・スロボドキン絵 岩波書店 2006年)
久々の「子どもの本」です。
読み終わって、うーんと唸ってしまいました。
「百まいのドレス」って、そういうことだったのか !!
子どもの頃、教室の中に、一人でいる子はいました。
名前も顔も思い出せません。
が、そんな感じの子はたしかにいました。
この作品は、子どもたちにぜひ読んでもらいたい。
もちろん、大人にも。
自分の体験を綴ろうかと思いましたが、やめました。
ルイスさんの絵も、素敵なタッチ、やさしい色合いが好きです。
ぜひ、ご一読を。
図書館で、ご一見を。