エーッ!! 何で このヒョーカなんだ 話(16)
Kセンセーがキョーシになってから、
「キューリョーに連動するヒョーカ制度」が初めて導入された。
ある日、ヒョーカが記入された紙を、フクコーチョーから渡された。
Kセンセーは、不愉快な気分になった、と。
「エーッ !! 何でオレが、このヒョーカなんだ 」
毎日、早朝出勤、残業、持ち帰り、土日休日のサービス出勤 … 。
誠心誠意、がんばってきた。
それは、セートや同僚も認めるだろう。
「心の底から、プライドを傷つけられた」と。
Kセンセーが、退職する数年前、
キョーシの世界にも「セイセキシュギ賃金」が導入されたのである。
コーチョーが、キョーシ一人一人に、
例えば、
S(特)・A(優)・B(良)・C(可)・D(不可)などのヒョーカをつける。
別な言い方をすれば、特上・松・竹・梅 … 。
彼は「カリスマキョーシ」ではない。
セートを有名大学に、合格させてもいない。
顧問部活で、県大会やインターハイなどで優秀な成績を上げるなどは無縁なこと。
ジュギョーには真剣に取り組んでいる。
セートシドーなどでも、がんばった。
コーチョーだろうが誰だろうが、言うべきことははっきり言ってきた。
自問自答していくと、
いくら頑張っているといっても、「仕方ないか … 」となってくる。
どうせ高いヒョーカがつくのは、ソーカツキョーユクラスの、誰と誰と誰 … 。
ヒョーカにもとづき、キューリョーに差がつけられるようになった。
それまで、管理職以外のヒラキョーシは、
年齢・勤務年数によって、自動的にキューリョーが決まっていた。
だからキョーシ同士、お互いにキューリョー表を見せ合うことも普通だったのである。
ところが、一転。
自分のヒョーカや、キューリョー表を、他のキョーシに見せなくなった。
「SやAのヒョーカをもらったのは、誰 ?」と考えるが、絶対に口にはしない。
新しいキューリョー制度が導入されたときに、
いったん全員のキューリョーが下げられた。
そして、S・Aのヒョーカのキョーシには、高いキューリョー。
結局、B・C・Dのキューリョーを下げた分から、支払われるのである。
すでにキョーシ世界は、「コーチョー・キョートー・ヒラ」という3段階の体制から、
「コーチョー・フクコーチョー・キョートー・ソーカツキョーユ・ヒラ」へと変更。
さらに、ヒセーキのリンニン・ヒジョウキンもいる。
「セーセキシュギ賃金は、
ほんの一部のキョーシに満足感を与えるかもしれない。
大多数のヒラは、プライドを傷つけられ、
ヒョーカへの <諦め> を植えつけられるだけだ。
この制度は、キョーシの間にスキマをつくり、チームワークを乱すものだ」
と、Kセンセーは言っていた。
もともとキョーシは、
高いキューリョーをもらうために働いているわけではないでしょう。
カネモーケに最も遠い職業だと思いませんか。
キョーシの「やる気」「元気」は、おカネで引きだせるものでしょうか ?
皆さんは、キョーシの「やる気」「元気」を生み出すのは、何だと思われますか ?
そう言えば、今日は「チョコの日」。
退職して心安らかになったジジイは、私だけではないだろう(笑)。