こんなの ヤラセじゃないか !! 話(57)
Kセンセーの話は、続きます。
市内十数校のうち、ニューシ学力では一番下のランク。
入学してくるセートたちに、少しでも希望をもたせたい。
たとえ偏差値で振り分けられたとしても、
「このコーコーで学んでよかった」と思って卒業していってほしい。
そんなわけでKセンセーたちは、ガッコー宣伝にも力を入れた。
イヤなコーコーではなく、
何かやっているコーコー、魅力あるコーコー。
当時、「朝の読書」を実施しているコーコーは少なかった。
「朝の読書」も、ガッコーのセールスポイントの一つにした。
テレビ、ローカル紙、タウン紙などの取材を、積極的に受け入れた。
そしてテレビ番組で報道された録画を、授業で見せた。
セートたちは、自分たちのコーコーが全国放送で紹介されたと喜んだ。
他校のキョーシたちの学校訪問も相次いだ。
クラス担任は、見学者が来ることをあらかじめ伝える。
かねて騒々しいクラスのセートも、
見学者が来ると「読んでるふり」をした。
「朝の読書」について、セートたちからアンケートをとった。
肯定的な声が多かった。
朝、落ち着く。
本を読むようになった。
もっと時間を長くしてほしい。
しかし、崩壊状態のクラスのセートたちの声は … 。
時間のムダ。
やめろ。
テレビは「やらせ」じゃないか。
怨嗟の声に満ちていた。
「やらせ」と受けとめたとすれば、もっとも非教育的なことである。
こんなことは、絶対になくさなければいけない。
さあ、Kセンセーはどうしたと思いますか ?
やめてしまったのか。