人生百年 有為自然

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有為自然 399   … のことも 夢のまた夢   話(61)

   … のことも 夢のまた夢   話(61)

 

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Kセンセーが、語ります。

 

もう失敗は許されない。

これが、最後の挑戦である。

 

3学期のシューギョーシキで、全校セートを前にして説明した。

 

「来年度から『読書の時間』はジュギョーになる。

出席日数が、カウントされる。

一定数以上の欠席があると、単位を認めることができない。

私語をしたり、眠っていたりして、読書に取り組んでいなければ、

学習活動に参加していないとみなされ、単位の認定をすることができない。

本は、各自の選択で、持参すること」

 

セートたちは、静かに聞いていた。

4月の最初の「読書の時間」、どうなったか。

 

担任と副担任は、始業のチャイムの前に、一斉に教室に入った。

一言の私語もなく、全員が本に向かっている。

昨年までの騒々しさが、ウソのように消えた。

遅刻も、ほぼなくなった。

せいぜい1クラス、1人程度。

すべてのキョーシツで、例外なく、読書が行われたのだ。

 

『朝の読書が奇跡を生んだ』の世界が出現したのである。

やっと「奇跡」が起きた。

4年間の苦しみから解放された瞬間である。

 

「朝の読書」は、いつでも、どこでも、どんなコーコーでも、

「奇跡」を生むとは限らない !!

 

しかし、「ソーゴーテキナガクシューノジカン」の中に位置づければ、

どんなコーコーでも成立する。

 

なお「ソーゴーテキナガクシューノジカン」は、

「読書の時間」単独では認められない。

一般の「ソーゴーテキナガクシュー」と併せて行わなければならないのだ。

つまり、1学年1単位ではなく2単位、3学年で計6単位となる。

 

ところで、例のコクゴのキョーシが、口元をゆがめて言った。

「ジュギョーにするねらいは、キョーシを縛るってことだね」と。

 

「そういう受け止め方もあるのか」と、びっくりした。

セートたちと、苦労しているセンセー方のために編み出した方法である。

そこまでひねくれて受け止めるとは、スゴイ。

別な意味で、感心してしまった。

 

その後、転勤するまでの7年間、「読書の時間」は順調に行われた。

転勤した後も、つづいている。

 

しかし、数年後には、勤務していたコーコー自体が統廃合でなくなってしまうと聞く。

「読書の時間」もなくなることだろう。

 

朝読書 つわものどもが 夢のあと

 

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読書のことも 夢のまた夢

 

 

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Kセンセーの「読書の時間」の話は、

後日談を含めて、まだまだ続くのですが、一応、ここで一区切りとします。

いつか、また続きをお伝えします。

 

さて、「Kセンセーのはなし」の次のテーマは、何にしましょうか。

考え中です。