化けることは 楽しい 話(75)
「仮装」の話のついでに、「演技」について。
Kセンセーが、語ります。
勤め始めたころは、「卒業生を送る会」というものがあった。
3年間をともにしたセンセーたちも、
「卒業生を送る会」で演劇などの出し物に参加したのである。
のんびりした時代だった。
自分は演ずるのが苦手である。
ジョシコーの「送る会」では、棒読みで恥ずかしい思いをした。
シンセツコーのときには、台詞を語る役と、舞台で演じる役が分かれていた。
これなら、動きだけに専念すればよいので、大丈夫だ。
自分の役は、着物姿の素浪人。
誰だかわからないように、
演劇部のセートに茶色っぽいドーランを思い切り塗ってもらった。
セートも嬉々として塗ってくれた。
舞台に出ていくと、セートが騒ぐ。
「あれは、誰だ? 誰だ?」と。
舞台から飛び降り、
「○○(セートの名)!! モク(タバコ)をくれ~!!」とダンシセートに抱きついた。
散々、ガッコーにタバコで迷惑をかけたセートである。
そして、さっと舞台に戻った。
「仮装」にしても「化粧」にしても、化けてしまえば何でもできる。
まさに「仮面(ペルソナ)」。
「パーソナリティ(個性)」の語源。
ガッコーも、一つの舞台である。
キョーシは、キョーシを演じる。
セートは、セートを演じる。
ところで私ことジジイは、真面目、穏やか、優しい … と言われます。
装っていた「仮面」がいつのまにか、顔に貼りついてしまったようです。
実際には、その真逆な面も。
ときどき夜叉になり、牙をむきだします(笑)。