シンカイギョジンジって 何 ? 話(78)
ジンジについて、Kセンセーが語ります。
「大変なコーコー」に勤めている頃、
職場で「シンカイギョジンジ」ということがよく話題になった。
漢字で書くと、「深海魚人事」である。
どういうことか、おわかりいただけるだろうか。
大都市圏には、コーリツコーコーはあまたある。
「大変なコーコー」に赴任しているキョーシが、
次も、また次もと … 同様のコーコーに転勤することを、
職場の中で「シンカイギョジンジ」と称していた。
上の方に浮上できず、海底深いところを回遊するのである。
前任校の名前、次の転勤先の校名を聞くと、ナルホドとうなずけるのだ。
深海になじまず、3年目に異動希望を出すキョーシ。
ここに赴任した以上、がんばるぞというキョーシ。
人生いろいろ、キョーシもいろいろである。
ただ、一度深みにはまると、
海面近くでの生活ができなくなる。
深海魚が急に、海面すれすれに行くと空気袋が破裂する。
だから、あまり上にいかず、そこそこでいいと思うようになる。
海面すれすれのところを泳ぎ回るキョーシたちもいた。
深海を回遊するキョーシたちとは、まったく違うキョーシ人生だ。
キョーザイケンキューのレベル、
セートシドーの内容など、全く別世界だ。
採用試験の成績、大学時代の成績、出身大学・高校、人脈などで、
最初のジンジは決まるのだろう。
そのあとは、初任校でのコーチョーの評価、その後の人脈が大きいのかもしれない。
お上にたてつくキョーシ、
ものいうキョーシたちは、どちらかというと深海近くに多かったような気がする。
そして彼らは、そこから逃げようとしなかった。
逃げようとするキョーシが多い中で、ますます有用性が高まる。
したがって、いつまでも深海にとどまるのである。
深海が暗いかと言うと、そうでもない。
ダイガクニューシに縛られない自由なキョーイクができた。
セートたちにとって、何が一番必要かを常に考える。
そういう意味では楽しかった。
ただ、知的に深くやれたかというと、そうではない。
書いているうちに、
「暗いと不平を言うよりも、すすんで明かりをつけましょう」という言葉が
フッと浮んだ。
今のコーコーは、どうなっているのだろう。