まず 「骨」と「筋肉」をつかむ
ケンポー「前文」って、何が書かれているかわかりにくいと思いませんか。
かつて、「前文」を暗記させるキョーシがいました。
わたしは、そんなのイヤです。
暗記が苦手なので、そんなことされたら「前文」を嫌いになることでしょう。
理解することの方が大事だと思いませんか。
ちょっと大変ですが、Kセンセーの話を聞きながら、
一緒に読んでいきましょう。
以下、Kセンセーが語ります。
前回の復習。
制定当時の『新しい憲法のはなし』を読めば、「9条」の意味がわかる。
戦争を二度としない。 戦争をするためのものを、一切もたない。
ところで、ケンポーの「前文」の主語は、
すべて「ニホンコクミン」、あるいは「われわれ」です。
クニの主人公が、
「テンノー」「クニ」から、「コクミン」に転換したことがわかります。
さて「前文」が、どのような「骨組み」になっているかを見ましょう。
「前文」は4つの段落から成り立っています。
ご存知でしたか ?
私も以前は、そんなふうに読んだことはありませんでした。
次の4つの段落です。
1 ニホンコクケンポー制定の目的
2 ヘーワシュギ
3 コクサイキョーチョーシュギ
4 決意
「第1段落」には、ケンポーの「3原則」が記されています。
「わが国全土にわたつて自由ーのもたらす恵沢を確保」 = 基本的人権の尊重
「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」
= 平和主義
「主権が国民に存することを宣言」 = 国民主権
センソーは「政府の行為」によって起こる、
センソーを起こさせないようにするのは「国民」という指摘も、すごい。
まさにそうだと感心しました。
センソーを起こすのは「セーフ」。
しかし、セーフにストップをかけるのは「コクミン」だというのです。
次の「国政」に関する部分は、リンカーンの言葉から来ています。
「国政は … そのケンイは国民に由来」 = 人民の
「そのケンリョクは国民の代表者がこれを行使」 = 人民による
「そのフクリは国民がこれを享受する」 = 人民のための政治
そして、ケンポーの3原則が「人類普遍の原理」であり、
この原理に反する「ケンポーカイセ―」や法令は認められないと宣言しています。
今日のまとめ。
「前文」は、4つの段落から成り立っている。
制定の目的 平和主義 国際協調主義 決意
「第1段落」 ケンポー制定の目的は、ケンポーの3原則。
3原則に反する憲法改正や法令は認められない。
以上です。
「前文」は読みにくいと思いますが、分解するとわかりやすくありませんか。
「前文」の骨組みと「第1段落」を、
何となく理解していただけたのではないでしょうか。
次回、「前文」の後半、がんばりましょう。
ファイト !!
追伸 : 「正当に選挙された国会における代表者」ということも重要です。
「正当に選挙されていない」代表者って、どういうこと ?
この意味は ?
この話も、また別の機会に !!
ケンポーばなし(11)
【 資料 】
日本国憲法 前文 (第1段落)
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、
国民の厳粛な信託によるものであつて、
その権威は国民に由来し、
その権力は国民の代表者がこれを行使し、
その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。