初めての コンヨク
記事の原稿がなくなった。
ずずさんの山梨の記事から、ヒントをいただいた。
「信玄の隠し湯」に行ったときの話である。
アイカタとギフとの3人旅行。
コンヨクがあるという。
そこで、ギフと二人で出かけた。
コンヨクは、生まれて初めての体験である。
地下にどんどん降りていく。
冷泉である。
岩の中の広い浴槽。
身体を流したあと、入る。
「冷たい!!」
ぶるっと、ふるえながら首までつかる。
今度は、浴槽から出ることができない。
浴槽を見回す。
さらに身ぶるいした。
数人の入浴者は、すべてが高齢者。
たしかにジョセーもいた。
しかし、若いジョセーなどいない。
寒気が強くなったわけだ。
当時、自分は30代。
湯につかっている中では、群を抜いて若かった。
アイカタは、入らなくてよかった。
引き返す途中で、高齢のジョセーに声をかけられた。
「このおじいさんは、
この温泉に来たころよりずいぶん良くなったんですよ」と。
介護のお世話をしてあげていた。
やさしそうなジョセーである。
若い頃は、ずいぶんきれいな方だったんだろうなと思われる人だった。
いしだあゆみ系の美人である。
そういえば自分は、いつも年上のジョセーに優しくしてもらっていた。
大学時代のバイト。
家具売り場だった。
お昼休みになると、服売り場の中年のジョセーと、いつも食事に出かけていた。
今は、まわりのジョセーといえば、中高年の方ばかり。
年齢を重ねて顔がよくなるのは、
ダンセーばかりではないと思っている。
ジョセーも、年齢を重ねた美しさがあるのだ。