キョーシモノの ハードボイルド ご存知ですか ? (93)
Kセンセーは、
自分より15歳も若い20代のキョーシを頼りにしていました。
若いキョーシのことについて、Kセンセーが、語ります。
大変なコーコーにいる頃、
長塚京三主演の『ザ・中学教師』という映画をテレビで観た。
「キョーシもののハードボイルド」とも言われた。
生徒の前でニコリともしない厳しいキョーシ。
この映画に対しては賛否あるらしいが、実におもしろいと思った。
『金八先生』の弁舌も好きだったが、「ザ・中学教師」も好きになった。
ただ、自分は、両方ともなれない。
自分は、自分である。
「ガクネンシュニンシドーガカリ」の若いキョーシが、
実によく似ていたのである。
映画を観たあと、彼にストレートに聞いてみた。
「『ザ・中学教師』って、知ってる ?」
「知りませんよ」
彼は、映画の影響を受けたわけではなかったのである。
スーガクのキョーシであった。
当時、すでにパソコンを使いこなしていた。
厳格なクリスチャンの家で育った。
讃美歌を歌い続けていたからか、音楽の才能も。
高校時代に、音楽の先生から音大に進学するように勧められたという。
国立大学の教育系の学部を卒業した。
スポーツも万能。
ある運動サークルのリーダーだった。
すべてが、理詰め。
ボーリングの投げ方も教えてくれた。
セートの前では、ニコリともしない。
宴会などでは、モノマネがうまく、フリもつけて、
さまざまな歌手の歌をこなした。
拍手喝采だった。
しかし、セートの前では、決してその顔は見せなかった。
人前では笑わないが、自分の前ではよく笑った。
セートたちは、彼のジュギョーを喜んで受け入れた。
大変なコーコーなのに、だれも騒がないからである。
シーンと静まり返ったキョーシツで、落ち着いてジュギョーを受けられる。
しかしセートたちは、彼がクラス担任になることは、好まなかった。
緊張の連続だからである。
セートに暴力をふるうことはない。
声を荒げることもない。
彼に言われると、何も反論できない。
そんなキョーシである。
だから、同僚たちもビビった。
それなのに自分と彼は、うまくいった。
ドーセー○○とかいうものではない。
お互いに、自分にはないものを認め合っていたということであろう。
二人に共通するのは、「スジを通す」ということだったと思う。
キョーシになって数年の20代キョーシと、
40過ぎたばかりのガクネンシュニン。
ただし、学年のまとまりは、二人だけでできたわけではない。
みんなで動く、仲が良いキョーシたちだったのである。
ウイシゼンより。
若いキョーシのイメージは、つかめたでしょうか。
「ガクネンシュニンシドーガカリ」。