「出藍の誉れ」と 絶賛されたあと … (103)
久々のKSストーリー。
キョーイクジッシュ―の時のことを、Kセンセーが語ります。
『倫理社会』の「儒教」の授業を、2時間だけの担当。
公開のケンキュージュギョーを、たんたんとこなした。
コーコー時代、弁論部だったので、人前で話すことは得意だった。
ジュギョー後、反省会が行われた。
ちょうどシャカイカの飲み会の日でもあった。
ほとんどのキョーシから、「出藍の誉れ」だと褒められた。
キョーシにとっても「模範授業」だった、と。
しかし、最年長のキョーシから言われた。
「Kさん、このキョーザイケンキューに、
どれだけの時間を費やしましたか?」と。
「中国の思想について勉強したことがありませんでしたので、
夏休みの間ずっと、勉強しました」と、得意げに答えた。
『論語』『孟子』『孔子』『諸子百家』『中国の思想』 … など、
さまざまな本を読んだのである。
すると年長のセンセーは、「現場の教師は、わずか2時間の授業のために、
そんなに時間を使うことはできませんね」とポツリと言われた。
有頂天になっていた自分。
頭から冷水をかけられた。
キョーイク現場に入ってから、その言葉が痛いほどわかった。
わずか2時間の授業のために、一夏使うような余裕はないのだ。
「1時間のジュギョー準備に、少なくとも10時間は欲しい」と、いつも思った。
勤務時間内に、そんな時間があるわけない。
帰宅して、深夜遅くまで、キョーザイ準備をした。
そして、土日も。
シャカイカが苦手だったので、困難をきわめた。
退職する頃には、教育行政からのつまらぬ仕事も膨大に増えた。
キョーイク改革は、キョーシにキョウザイ研究の時間を保障すること。
それが基本中の基本だと思っている。
キョーシ自身が、消化不良のジュギョー。
そんなジュギョーは、セートにとっては最悪だ。