人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 571   「気球って 好きですか ?」 (下)  (106)  

  「気球って 好きですか ?」 (下)  (106)

 

f:id:uwisizen:20201020065347p:plain

 

ローカル新の紙面を、カラフルな巨大気球が飾った。

大成功した ?

 

バーナーで気球に熱風を入れる作業は、副担任と自分の2人だけが行った。

危険だからである。

副担任は、運動部系で体力のある人間だった。

自分は、体力がない。

上を向いたまま、バーナーで熱風を送り込みつづける。

途中、ラクラッときそうになる。

必死だった。

もし作業中に貧血でも起こし、セートの顔を焼いてしまったらと思うと … 。

今でも、ゾッとする。

 

 

f:id:uwisizen:20201022061715p:plain

 

クラス全体の盛り上がりを、つくることができなかった。

運動部の生徒たちの大半は、

準備作業に参加できなかったからである。

縫製作業でがんばったのは、部活に入っていないごく少数のセートたち。

よくも、あれだけの膨大な作業量をこなしたものだ。

ほとんど何もしなかったセートたちの、気球への思い入れは希薄だった。

後ろめたさを感じていたかもしれない。

 

当日、気球をあげる時間は、風のないごくわずかな時間だった。

あげてしまうとセートたちは、何もやることがない。

他のクラスは、模擬店やお化け屋敷などで一日中盛り上がっている。

セートたちは、他の催し物をみてまわるしかない。

 

もし、もう一度やるとしたら、

「実行委員会」をつくり、有志を集めてやるだろうと思う。

そしてバーナーを使うのは、体力のあるキョーシにまかせる。

 

クラス全体で盛り上がれたら最高だったのにと思う。

テレビドラマのような感激的なシーンは、ついになかった。

ここが、不器用キョーシの限界である。

 

熱気球自体はすごかった。

人生の中で、これほど巨大なものを作ったことはない。

「気球って、好きですか?」と問われて、

「好きですよ」と言った、一言から始まった。

実に貴重な経験をさせてもらった。

 

Kセンセーの「文化祭」のおはなしでした。

当時、文化祭は、夏休みが明けたばかりの、9月初めに行われていました。