人生百年 有為自然

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有為自然 609   「帰ってくるな」 … 「そういうことなのか」

 「帰ってくるな」 … 「そういうことなのか」

 

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この記事を書き、予約投稿したときには、

まだ旭川や大阪の医療危機のニュースが流れていませんでした。

それを踏まえて、読んでいただければ幸いです。

 

この1年、母に会っていない。

いや、会えないのである。

田舎の母認知症を発症し、施設に入ってから数年になる。

例年、人の混む時期を避けて、春と秋、年に2回は帰省していた。

会うと、母はまだ私のことを覚えている。

 

ところがコロナのために、施設は面会謝絶となった。

仮に帰省したとしても、母に会うことはできない。

 

来年の春ぐらいには、田舎に帰れるかなと楽観していた。

なぜなら世の中、「ゴーツーの嵐」だったからである。

ところが、「ゴーツー」が始まって以来、感染が急拡大している。

 

「ゴーツートラベルが、感染拡大の原因だという、科学的根拠はない」

と、セーフは言う。

では、ゴーツーが感染を広げていない、という科学的根拠はあるのか ?

 

田舎に電話した。

まだ面会謝絶とのこと。

そして、「帰ってくるな!!」と言われた。

都会に住む人間が帰省することを、拒む意識はすごい。

都会の者が、ウィルスをまき散らす原因だと。

 

テレビで、毎日、出身県の感染者数も見る。

ほとんど一桁。

たまに二桁。

あの数字なら、都会居住者への拒否感がすごいはずだ。

 

今年の春、母の施設と同じ市に住んでいる叔父は、

面会謝絶のまま病院で亡くなった。

自分は、葬式に行くことができなかった。

春に予定していた、出身県での恩師の1周忌の集まりも中止。

 

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母に面会できなかったとしても、せめて叔母たちに会いたい。

こっそり帰りたい気持ちもあるが、「帰ってくるな!!」だから無理だ。

 

コロナの感染を抑え込む戦略がないセーフに、いらつく。

いらだたしさの根っこには、帰省できないということがある。

「帰ってくるな!!」と言われている人間は、ニホン中にいるだろう。

 

テレビを見ていたら、

「今の状況にセーフは、危機感はないのか。

コロナの感染を抑えるために、思い切ったハンマーが必要なのではないか」

という質問。

 

「ニホンは欧米に比べれば、

比較にならないほど死者数も感染者数も少ない」と、

セーフの考えを代弁するジャーナリストが答えていた。

 

確かに欧米と同じグラフで見ると、

ニホンはグラフの底にくっつくくらいの低さである。

 

そういうことだったのか。

セーフ関係者は、

「ある程度の死者、感染者が出ることを容認している」ということなのだ。

 

あれほど病院・医学関係者が「医療崩壊」を訴えているのに、

セーフはなぜ聞く耳をもたないのだろうと不思議に思っていた。

そういうことなのか。

 

「経済のためには、

少しぐらい死者・感染者が出てもいい」ということなのだ。

ようやく、謎が解けた。