数字が減っているウラに 何がある ?
ピーク時2447人から、9日連続で千人を下回る。
東京都のコロナ感染者数は、急速に減少している。
医療現場がひっ迫にしているなか、少しホッとしていた。
ところが、2月3日の新聞を読んでギョッとした。
東京都は、コロナの検査方法を変えたというのである。
1月22日付で
「積極的疫学調査の規模を縮小する」と保健所に通知したそうだ。
保健所の負担を軽減するためだと。
「積極的疫学調査」とは、陽性者からの聞き取りで、
濃厚接触者を追跡調査すること。
市町村をまたぐ濃厚接触者、
勤務先の濃厚接触者を調査しないことになったのである。
「濃厚接触者」の「無症状感染者」には、カウントされない人も出てくる。
だから、見かけ上の陽性者は減る、と。
う~ん。
あいかわらず、PCR検査を抜本的に増やすことをしない。
濃厚接触者の調査も減らす。
すると、「無症状」の市中感染は広がる。
一方、見かけ上の陽性者数を見て、人びとはホッとする。
ゴーツーを再開させたい。
ゴリンを開催したい。
目先のゴーツーや、ゴリンに目がくらんでいるセーケン、ザイカイ。
ひょっとしたら、数字を少なく見せるため ?
これで、ゴーツー、ゴリン開催へと突き進んだら。
コロナの第4波、第5波が来るだろう。
感染者、重症者、死者がどんどん増える。
倒産・失業、生活困窮者も。
しかも経済の回復は、ますます遠ざかる。
新聞記事とは、「数のマジック」
(斎藤美奈子 東京新聞2021年2月3日 本音のコラム)である。
彼女の文章は、好きだ。
切れ味がよい。