人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 811 「今日も一日、誰とも話さなかった … 」

  「今日も一日、誰とも話さなかった … 」

f:id:uwisizen:20220117150344j:plain

父が亡くなってから十数年、私たちは母に毎日電話していました。

遠く離れた田舎の実家に、一人で住んでいたからです。

電話代がかさむので、途中からケータイの家族間無料通話にしました。

 

認知症を発症する直前の時期、いつも同じ言葉を聞きました。

「今日も一日、誰とも話さなかった」と。

すぐ隣の方が亡くなり

もう一方の隣の方は、ご夫婦とも入院。

近所に話す人間がいなくなったのです。

高齢者にとって、集まる場所、話し相手があることは貴重なことです。

 

かつては、老人会は自分には無縁だと思っていました。

しかし、母のような孤独な高齢者にとっては必要だと痛感しています。

もし、母の近くに話せる相手がいたら … と思ってしまうのです。

 

以上の話を、自治会の役員会で話そうと思っていました。

 

以前お話した、自治会役員のこだわり高齢ダンセー。

彼は、自治会が老人会に助成金を出すことが気に入りません。

「住民の10分の1程度の集まりである老人会に、

ウン万円も助成金を出すのはおかしい」と。

 

彼から見たら、老人会は私的な趣味サークルに見えるのでしょう。

「自分も高齢者だが、老人会に入会している者だけが、甘い汁を吸っている。

自治会の貴重なおカネを出すのは許せない」という気持ちなのではないか。

 

わが老人会は、毎月の例会とは別に、毎週のように部会が開かれています。

部会は、カラオケ・囲碁将棋・麻雀・手芸・絵手紙・園芸(花壇づくりなどです。

高齢者が集まり、活動する受け皿になっています。

私たちの老人会の3分の1は、伴侶をなくされた方だそうです。

f:id:uwisizen:20220117150545p:plain

老人会が高齢者福祉を目的とした公益団体であると説明しても、

こだわり高齢ダンセーは納得しません。

役員会で、手短に私の母の話をしようと考えたのです。

残念ながら議題が多すぎたので、この話をすることはできませんでした。

 

「老人会が要望する額を申請させて、毎回審査すべきだ。

ウン万円と言う定額を、毎年出すのはおかしい」と彼は言いつづけています。

彼の主張は、ゼロベースで考えるべきだというものです。

 

現在の自治会にはこれまでに蓄積されたカネもあり、財政上は余裕があります

これまでどおり老人会に助成金を出しても、痛くもかゆくもありません。

 

来年度の予算案。

老人会への助成金をどうするか。

悩ましい問題です。