冗談じゃない 俺は70歳を過ぎているんだぞ !!
高校でキョーシをしていた友人の話。
最後に勤めていた高校の校長から、電話があったとのこと。
「○月から、非常勤講師をひきうけてもらえませんか」と。
心の中で迷った。
「久々に生徒の前に立ってみるか」と、心が躍った。
しかし、辞めてからもう10年近くなる。
オンライン授業などできない。
パワーポイントを使った授業も行ったことがない。
無理だ。
大学受験対策中心の授業も、嫌だ。
そこで、元同僚の先輩に電話。
「非常勤講師を依頼されたのだけど、私にはとてもできません。
○○先生、引き受けてもらえませんか」
「冗談じゃない。
俺は、70歳を過ぎているんだぞ。
授業関係の資料も、とっくに片づけてしまった」と。
久しぶりの電話で、盛り上がった。
言われてみれば、彼はもう70歳過ぎか。
そして依頼のあった校長に、断りの電話を入れた、と。
さて、教員不足の一つの理由は、教員免許更新制です。
2009年度から、10年ごとに講習を受けなければ、
教員免許が更新されない制度になりました。
定年退職間際の教師たちのうち、更新しない教師も増えます。
その結果、退職後「免許をもった元教師」が減少しました。
大学生も、10年で更新切れになる教員免許など、取得するわけがありません。
民間企業に勤めたら、更新のための講習を受ける余裕などないからです。
以前だと、民間企業に就職した後、教員になる可能性もありました。
そういうわけで、「教員免許をとる学生も減少」したのです。
この教員免許更新制度は、早ければ2023年度には廃止されるそうです。
「教師の管理を強めようとしたセーフの大愚策」だったと言っていいでしょう。
教員免許更新制度のために、
「入口」でも「出口」でも教員が減少したわけですから。
これが、教師不足の大きな原因です。
また、教師不足の原因について、「教師の多忙」も報道されています。
多忙を解消するための、あれこれの工夫がテレビで紹介されていました。
しかし、教師の多忙を解消するための、最も効果的な方法は「少人数学級」です。
1クラス35人ではなく、ヨーロッパ並みに20人程度にしたら、
教師の忙しさは大きく改善されます。
一人一人の子どもたちに目がゆきとどきます。
高校の「教科担任」だと、例えば、
40人のクラスを5クラスもてば200人の生徒を担当することになります。
200人の名前を覚え、200人の一人一人を理解する。
とんでもなく大変なことです。
もし20人学級になれば、100人の生徒。
生徒を覚えることも、容易になります。
テストの採点なども半分の時間ですむのです。
ヨーロッパなみの少人数学級。
生徒一人一人が自由に発言することも可能になります。
そんななかで、個性をもった人間が成長するのです。
教師の多忙が解消され、生徒たちはのびのびと学び育つことができる。
大軍拡ではなく、欧米並みに教育予算を増やせば、
「平和をつくる力」を育てることになると思います。
これこそが「国家百年の計」ではないかと思うのです。
生き生きとした人間は、「平和をつくる力」になる。
貧しく疲弊した人間は、「ファシズム、独裁者、戦争」を呼び寄せる。
こんなことを言っても、世間には通用しないのかな。
「何を寝ぼけたことを言っているんだ」と。
みなさん、どうでしょう。