人生百年 有為自然

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有為自然 946  「Uターン」した 同級生    221021

   「Uターン」した 同級生    221021

 

 

レンタカーで、県都から70キロ走って、

生まれ育った町に到着します。

 

この市だけで、20年間に4か所、住む所が変わりました。

父の転勤が繰り返されたからです。

 

当時、中学校は1学年11クラス。

学年だけで500人を超える生徒がいました。

 

自分は「よそ者」。

身体も弱く、運動神経も悪い。

地域になかなか溶け込めず、友だちもいませんでした。

 

唯一といってもよい友だちが、今回会った同級生です。

高校も一緒でした。

中学校で彼は、柔道部の主将。

生徒会長。

地元の建築関係の社長の息子。

 

まわりに友だちも多く、皆から好かれていました。

一部の女子から蛇蝎のごとく嫌われていた自分とは、対照的です。

自分よりいろんな面で優れていました。

 

彼が東京で働いていた頃は、たまに電話するぐらいでした。

数年前に彼は、妻を病気で亡くし、

それを機に生まれ育った地にUターンしたのです。

 

夕食前に、彼と旧港のあたりを歩きました。

 

「ここに製氷所があったよなぁ。

自分の家には冷蔵庫がなかったので、氷を買いに来ていたよ」と言うと、

 

「柔道部の合宿の時には、

氷を買いに来て、みんなで薄いカルピスを飲んでいたんだ」と。

 

ビジネスホテルの横の魚料理屋で、

一緒に夕食をとりながらいろいろ話しました。

 

彼は今、仮住まいをしています。

古い家を探して、自分でいろいろ改装するとのことでした。

建築士であり、大工仕事も得意なのです。

 

 

私は帰ることのできる、実家叔母の家もなくなりました。

友人が、住まいを定めてくれるのは本当にありがたい。

 

長い間、「故郷喪失者」でした。

大学時代に、父が他の市に転勤して以来、

この地を訪れたのは、半世紀近くの間に2~3回。

 

次回からの帰省が、楽しみになりました。