実の父親を○したら 罪が重くなる ?
『虎に翼』でも取り上げられた事件 250804

栃木実父殺害事件。
みなさんは、この事件をどう思われますか?
(以下は、ウィキペディアの『尊属殺重罰規定違憲判決』からの抜粋)
栃木実父殺害事件 (1968年)
被告人の女性(当時29歳)は、
14歳の時から実父(当時53歳)によって性的虐待を継続的に受けていた。
夫婦同然の生活を強いられていた。
逃げ出せば暴力によって連れ戻され、
やがて逃げることも諦めるようになった。
また、自分が逃げることで同居していた妹が同じ目に遭う恐れがあったため、
逃亡がためらわれた。
そうした中、女性にも職場で相思相愛の相手が現れ、
正常な結婚をする機会が巡ってきた。
その男性と結婚したい旨を実父Bに打ち明けたところ、
実父Bは激怒し、女性を自宅に監禁した。
その間にも実父は女性に性交を強要した上、罵倒するなどした。
監禁10日目の1968年10月5日、
実父はもし家を出るなら女性や子供らを殺害すると叫びながら
女性に襲いかかった。
女性は、これまでの苦悩・実父との関係を断ち切り、
この窮地を脱して世間並みの結婚をする自由を得るためには、
もはや実父Bを殺害するほか術はないと考えた。
そしてとっさに枕元にあった腰紐を取り、実父を絞殺するにいたった。
実父を殺した女性に対して、あなたはどんな刑を下しますか ?
あなたが弁護士なら、
この女性の立場に立って憲法のどの条文でたたかいますか ?
当時、刑法200条の「尊属殺人罪」では、
父母・祖父母などの直系尊属を殺害した場合、
父親、母親、直系の尊属の殺人の場合は、死刑もしくは無期懲役しかないのです。
どんな事情があろうとも、ということです。
減刑もなければ、執行猶予もない。
どう思いますか ?
1973年に、「尊属殺人罪」は「法の下の平等」に反しているということで、
重罰規定を無効とする違憲判決が出されました。
その後、1995年に「尊属殺人罪」は刑法から削除されます。
弁護士が根拠にした条文は、「法の下の平等」(現行憲法14条)でした。
憲法の条文は、社会の不正義とたたかう武器になります。
前回の「1314 猛暑のなかで … クリスマス 」の記事に、
コメントがあったので、この事件を取り上げました。
「憲法に根拠となる条文がなければ、裁判を起こしてもダメ」の部分。
わかりやすい例はないかと、「栃木実父殺害事件」を例にあげてみました。
『虎に翼』でも、取り上げていたそうです。
裁判は、「事実」を「憲法」でどう「判断」するかということだろうと思います。
前回の記事は、判断の基準である「憲法」の条文がなければ、
どうしようもないという意味でした。
「法の下の平等」がありません。
もしこの憲法案の世の中になったら、
裁判で不平等をただすたたかいは困難、あるいは不可能になるでしょう。