高い壁 監視塔 巡視船 ドローン …
学生時代、刑務所の近くに住んでいました。
就職してから一度、所用で別の刑務所の建物の中に入ったこともあります。
今日は、それとは別な話です。
高い壁に囲まれている。
壁の上には、監視塔。
海上には、巡視船。
上空には、ドローン。
水、食糧、医薬品、燃料などがほとんど入ってこない。
燃料不足のために浄水機が動かない。
だから、塩分を含む、汚染された水を飲んでいる。
そのため、下痢、発病。
病院も学校も破壊されている。
1日10時間も停電。
夏は暑く、冬は凍死する人もいる。
若者たちに仕事がない。
壁の外に、一生出られない。
希望がない。
「天井のない監獄」だ。
その「監獄」のなかの人間に向かって砲撃・銃撃が続く。
先祖たちが代々住んでいた土地。
ところが約80年前に、
「ここは、神から自分たちに与えられた土地だ」と言う人々が国をつくってしまった。
彼らは、この地を占領し支配している。
2年前に、占領支配に抵抗するグループが、
相手側のエリアに入り民間人1200人を殺し、約250人を人質にした。
民間人への攻撃は、許せない行為だ。
占領者による報復が始まった。
「民族皆殺し」である。
南部への「退避命令」が、占領者から出された。
避難した先も爆撃される。
物資が来ないから、飢える。
病気になる。
負傷しても、治療できない。
まさに地獄である。
この2年間で、6万7千人の命が奪われた。
その3分の1は、子どもたちだ。
負傷者は、その倍にのぼる。
がれきの下の行方不明者は、30万人以上と言う人もいる。
物資搬入ができない「監獄」の中。
空から海から地上から攻撃される。
食糧配給の列も、攻撃対象として狙われる。
建物も次々と破壊される。
住宅も学校も病院も。
ドミサイドというらしい。
民族が絶滅するまで、続けるのか。
占領されたもう一つの地域(ヨルダン川西岸地区)では、
時間をかけて「民族追放」(民族根絶やし)が続く。
「自治区」とは名ばかりである。
ぐるりと囲む大きな壁。
その中に、さらに小さな壁が次々とつくられていく。
検問所が数十ある。
通行するたびに持ち物検査、人相検査。
「テロリスト対策」なのだと。
通行不能になることは、しょっちゅうだ。
治安は占領者側の警察、軍隊があたっている。
先祖代々の地に、占領者のなかの無法者たちがやってくる。
住んでいる家を横取りする。
破壊する。
先住者たちに暴力をふるい、いやがらせをする。
占領者側の警察は、ならず者たちを放置している。
先住者が無許可で家を修理すると、違法だと言って家をとりあげる。
こうやって先住民は次々に追い出されていく。
占領者が奪った土地を「入植地」という。
奪った者たちを「入植者」と言うのだそうだ。
上記の文は、
『もしも君の町が ガザ だったら』(高橋真樹 ポプラ社)を読んで書いたものである。
死者数や表現など、若干書き直した。
本を読み終わったあと、
本の要約をパソコンキーで打ち続けてきた。
地域の「しゃべりば」で話せたらと、思ってのことである。
それをブログに載せるには長すぎる。
うんと短くした。
3章まですんだが、図書館への返却日が来てしまった。
図書館の予約者が多いので、電話で書店に注文をした。
以前、マー君のママさんに紹介された『ガザとは何か』(岡真理)。
読んで自分の無知に、衝撃を受けた。
今回は、hitokoto2020さんのブログ。
『もしも君の町が ガザだったら』。
ガザとヨルダン川西岸地区のことを、いっそうリアルに知ることができた。
あと残り6章。
本屋さんから連絡が来たら、手に入れて要約を打ちつづけよう。
地域の「しゃべりば」でも伝えたい。