人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 1423 お二人の卒寿の祝い & 会うは別れの …  260914

  お二人の卒寿の祝い & 会うは別れの …  260914

 

 

司会から「事務局長、乾杯を」と促される。

いつもと同じで、いきなり「乾杯!!」と言ってしまった。

すると、先輩メンバーから、「何か一言はあるでしょう、やり直し」と。

再び立ち上がって、

「90歳まで私だと、あと10余年。

お二人のように元気でいられるかどうか心配です。

お二人を見習おうと思います。

Aさん、Bさん、卒寿おめでとうございます。 乾杯!!」

 

昔から、挨拶が苦手である。

人前で話すことは平気なのだが、挨拶だけはダメだ。

結婚式の式辞でも、退職時の挨拶も失敗した。

短い一言にその人柄があらわれるというのに。

どうも人間が浅いというか、人間ができていない。

 

わが草刈り・剪定・花壇ボランティア。

最高齢のお二人の祝いを、月1回の懇親会に合わせて行ったときの話である。

今回は、20名近く集まった。

その中で、自分は4番目に若い(笑)。

 

Aさんは、昨年まで現役。

週1回働いておられた。

今も車を運転されている。

しかし、来年には免許を返上されるとのこと。

Bさんは、花壇の世話にいつも最初に来られる。

お二人とも、ただ元気というのではなく、

ボランティア活動に熱心に参加されている。

 

 

いっぽう、別れもあった。

7月、Cさんに電話したところ、夫から「妻は入院中です」と返事が返ってきた。

エッ、この前、一緒に花壇の世話をしたばかりなのに。

そして9月になって、ボランティアメンバーから連絡が入った。

Cさんが、8月に亡くなられた、と。

「沈黙の臓器」のガンだったらしい。

突然倒れて、1か月余。

それまで一度も入院されたことのない健康な方だったそうだ。

 

弔問に伺った。

夫が「妻の人生は、福祉などボランティア活動の人生でした。

ほんとうに何にでも頑張る人でした。

本人は満足していることでしょう」と。

Cさんは、あと2年で米寿だった。

 

ボランティアメンバーで亡くなられたのは、3人目。

ご三方とも、黙々と作業される人たちだった。

 

自分は「人生100年」を目標にしている。

しかし猛暑と長雨で、最近は身体の不調が多い。

こんな調子で、大丈夫かどうか。

有為自然 1422 火城 燃える町 1938  260911

       火城 燃える町 1938  260911

 

 

古びた城壁、高くそびえる 楼閣。

すみわたった空に 凧が まっていた。

ゆったりと のどかな日々。

 

 

わたしは、この古い町が 好き。

お話が ひそんでいる通りや、

水が おいしい 井戸が 好き。 

白沙井(パイシャチン)、桂花井(クゥエイホオアチン)、青石井(チンシィチン)…。

井戸の なまえを よみあげると、歌みたいだ。

 

黒だけで描かれた絵。

鉛筆だろうか、炭だろうか。

 

遠景が、次第にクローズアップされていく。

人びとの姿と生活。

 

火城 燃える町 1938

  文 蔡皋(ツァイ カオ) 絵 蔡皋 翺子(アオ ズ) 訳 中由美子

 

題名だけで、物語の想像がつく。

1938年と言えば、あの事件の翌年。

きっと、そういう話だろうなと思いながら、ページをめくり続ける。

 

ところが、この絵本も予想を裏切った。

燃える町の本当の原因と、直接の原因。

こういうこともあったのか。

やりきれない気持ちになる。

 

 

日中韓平和絵本シリーズ。

5冊目である。

 

図書館への返却日が近づいたので、

急いで記事を書いた。

 

わが市には、中央図書館と複数の地域図書館がある。

いつも近所の地域館で借りている。

地域館にない本は、他の館から取り寄せてもらう。

市にもない場合は、他市から取り寄せてくれる。

手軽に借りることができる地域図書館は貴重な存在だ。

 

図書館は、コモン(共有財)である。

スマホがまん延しているが、

こういう時代にこそ本の文化を大切にしたい。

有為自然 1421 「悪魔である僕は こうして神とたたかっている」  260908

  「悪魔である僕は こうして神とたたかっている」  

                                     260908

 

 

この人は、実に面白い。

毎回、話していて大笑いしてしまう。

 

「あなたの症状が出るのは、性ホルモンがなくなってきているから。

本当なら、もういつ死んでも構わない。

こう言っているのは、神ですよ、ぼくじゃない。

ぼくは悪魔だから、あなたを長生きさせようと、こうして頑張っている。

神と戦っている悪魔なんです」

 

性ホルモンがなくなってきていることは、自分でもわかっていることだ。

しかし、こう露骨に宣告されると … 。

話している相手は、皮膚科の医者である。

 

この間ずっと、脂漏性角化症で診てもらっている。

今回は脂漏性皮膚炎である。

 

診察後に「最後に何か聞きたいことはありますか?」

と言われて、

「前回の診断でも脂漏性〇〇〇と言われましたけど、原因は加齢ですか?」

と聞いたあと返ってきたのが、冒頭の言葉である。

例えがユニークである。

 

彼は私よりずいぶん年長者。

どうもこちらのことをしっかり覚えているようだ。

笑い転げる反応がたまらないので、オーバーに言っているのだろう。

こういう医者は、面白い。

 

それにしても、加齢というのは … 。

動物が、老いさらばえてゆく姿。

まさに自分もそうなんだ。

 

悪魔の手を借りて、

少しでも元気な姿で長生きしようと思った。

有為自然 1420 女性じゃダメなの? なぜ男性にこだわる? 260906

   女性じゃダメなの? なぜ男性にこだわる?  260906

 

 

このテーマは、どこで話し合っても盛り上がる。

以前、初対面の店員さんと、店先で話し込んだこともあった。

 

「しゃべりば」での発言のいくつかを紹介したい。

 

Aさん ミーハー的な関心で参加した。

    会場がいっぱいになると思って早めにきた。

 

Bさん あの人たちには、全く人権がない。

    どれほどひどいことを言われても、何も言えない。

    彼ら、彼女たちのことを思うと胸が痛む。

 

Cさん 女性だと親の職を継げない。

    その制度のために、従弟のHさんへの反発が生じているのではないか。

    単純に「第一子継承」にすればいいと思う。

 

Dさん 占領軍の政策で天皇制は残された。

    天皇陛下がいらっしゃる方が、国民がまとまるのでよかったと思っている。

 

Eさん 戦前の儀式における「御真影・教育勅語・君が代」の三点セットは、

    「十字架(キリスト像)・聖書・讃美歌」をヒントにしたという話。

    私はクリスチャンだが、ショックだ。

 

 

Fさん 「神話」は、どこの国にもある。

    政治と結びつくことに問題がある。

 

Gさん 中学の時の友だちは、天皇制に疑問を持っていた。

    士農工商えた非人の身分制度は、天皇制があるからだと。

    彼は被差別部落の出身だった。

 

Hさん 私は廃止論。

    天皇や皇族の制度をなくせば、憲法上の矛盾はなくなる。

 

Iさん 私はみなさんに比べて若い世代だ。

    天皇制や天皇のことがリアルな存在として感じられない。

 

Jさん 東京で育ったが、子どものころ、

    私の家の近くの道路を、天皇一行がよく移動していた。

    「2階から見下ろしてはいけない」と言われた時期もあった。

 

先日の「しゃべりば」は、これまでで一番多い参加となった。

15名を越えた。

そのうち初めての参加者が2人。

毎回思うのだが、いろんな発言があて、おもしろい。

 

以下は、シゼンによるレポートの要点です。

 

【 要約 】  女性では ダメなの ?

 

1 皇室典範改正の本質は、「女性利用」「女性排除」。

 

2 2600年以上続く「男系男子」の伝統というのは、フィクション。

  縄文・弥生時代に神武天皇の即位があるわけがない。

  飛鳥・奈良時代の天皇17代の半分、8代は女性天皇だった。

  卑弥呼も天照大神も女性。 

  かつての日本は母系制の社会。

  天皇のあり方は、平安・鎌倉・室町・江戸時代によって違う。

 

3 「神聖不可侵・万世一系・男系男子」の天皇が作られたのは、明治時代。

  大日本帝国憲法と教育勅語、学校の儀式や歴史教育、軍人勅諭、年間行事、

  メディアなどによって、

  日本国民の心身に「天皇は生きた神様」という観念が刷り込まれた。

 

 

4 戦後、日本国憲法によって天皇は「象徴」となり、政治的な権能を失くした。

  「女性天皇排除」は「日本国民の総意」ではない。

  国会の多数を占める政治家たちによって、今回、皇室典範改正が強行された。

   

 「女性差別の象徴」を変えるには、皇室典範の改正が必要だ。

  ヨーロッパの7つの王国、3つの公国すべてで「女性継承」が可能になっった。  

  皇族の人権を保障するためには、

  天皇の制度そのものについて根本から考えていく必要もあるだろう。

 

いかがでしたか。

いろんな考えの方が、社会的・政治的なテーマを自由に話せる。

これからも、楽しんで「しゃべりば」を続けたいと思っています。

有為自然 1419 春姫という名前の赤ちゃん  260903

   春姫という名前の赤ちゃん  260903

 

 

どんな赤ちゃんの話だろうと思いながら、

ページをめくり続けた。

 

由美ちゃんは3年生の春、東京から

岡山県の瀬戸内海にめんした小さな町に、ひっこしてきました。

「なんでも知りたがり屋」の由美ちゃんは、これから住むことになった

家のまわりを、犬のパールをつれて、どんどん歩いてみました。

そのなかで、いちばん気にいった道を通学路にしました。

家から海辺にそって、少し行ったところの横断歩道をわたって、

なだらかな坂をのぼっていくことにしました。坂のいっぽうは畑、

もういっぽうは、ひくい山になっています。

朝日にかがやく瀬戸内海は、とても美しいし、坂道のりょうがわには、

かわいらしい野の花が、いっぱい咲いています。

 

 

冒頭から、面食らってしまった。

韓国の子どものお話じゃないの?

 

由美ちゃん、岡山県、瀬戸内海 … 。

 

『春姫 チュニイ という名前の赤ちゃん』 

   ピョン・キジャ 文  チョン・ガンスク 絵  童心社

 

由美ちゃんは、やがてある人に出会う。

そこから話が展開していく。

 

「春姫」という名前の赤ちゃんの真相がわかる。

そんな話だったとは。

予想を裏切ることばかりだった。

 

絵本の最後に「故郷の春」という歌詞つきの楽譜がついていた。

そこで早速、韓国語バージョンの動画を観る。

三人の女性ボーカルと、男性二人の伴奏。

韓国語の意味はわからないのに、思わず涙が流れた。

歌っている女性一人の目にも、涙がうるんでいた。

 

今回も、とてもいい絵本に出会えた。

有為自然 1418 とうきび  260831

   とうきび  260831

 

 

表紙をめくる。

両開きいっぱいの星空。

 

  ページをめくり、さらにもう1度めくる。

 

わらぶきの家の どべいの そばに

 

 

  ページをめくる。

 

ひとかぶ ふたかぶ みかぶ

 

 

  ページをめくる。

 

にいちゃんは あな ほって

ぼくは とうきびのたねを

ぽとり

かあさんは つち かぶせ

 

  ページをめくる。

 

すこし のびたら こやしをやって

もっと のびたら しょんべんかけて

 

  ページをめくる。

 

もう ぼくの せたけくらい おおきくなった

 

  ページをめくる。

 

 …

 

絵本『とうきび』 クォン・ジョンセン 詩  キム・ファンヨン 絵

         おおたけ きよみ 訳

 

作者は何年の生まれで、

どういう体験をしたのだろう。

彼の生きた時代に何があったのだろう。

そんなことを考えながら、ページをめくりつづけた。

 

「この絵本の詩は、クォン・ジョンセンが小学生のときに書いた詩」

と書かれていた。

日本に生まれ、あの歴史的なできごとの直後に韓国に帰国したとある。

 

作者の生まれ年から、帰国したときの年齢を計算する。

そのことによって、どういう歴史的な背景があったのかが、やっとわかった。

 

そういうことなのか。

子どもの目から見た世界が描かれている。

読み終わって、考えさせられた。

 

ちなみに「とうきび」とは、「さとうきび」ではない。

「とうもろこし」のことである。

有為自然 1417 父さんたちが生きた日々 260828

   父さんたちが生きた日々  260828

 

 

満開の桜。

その下で、二人の学生が話している。

ともに学生帽。

戦前の話か。

 

表紙を開くと、上半分に2ページにわたる横長の風景。

淡い色。

手前には南方の樹木、家々。

遠方に山なみが広がる。

のどかでおだやかだ。

水彩画なのか。

作家は油絵画家なのだが。

 

ページをめくる。

1ページ目。

揺り椅子に座った老人の姿。

「父さんは夕日のなかで、黄ばんだ二枚の写真を、よく眺めていました。

そこには、過ぎ去った日々のできごとが … 」

 

さらにページをめくる。

「1912年、父さんは海南島の小さな村で生まれました」

二つのページに広がる風景。

水牛をひく少年。

水車にヤシの木々。

 

貧乏な母子家庭で育った父が、大学に進学し、

やがて日本の大学院に留学する。

そこで出会った学友、山本。

二人は人類学に熱中する。

ところが、中国との戦争が始まった。

 

人類学に情熱をもっていた二人は、桜の木の下で、

「学び終えたら、それぞれ自分の国のためにしっかり働こう」

と誓いあいました。

その後、二人は … 。

 

最後のページに出てくるものは、なにか … 。

 

『父たちが生きた日々』(岑龍作 中田美子訳 童心社 2016年)

 

中国の絵本作家が、戦争と平和をどのように描くのか。

どういう展開、結末になるのか。

不安を覚えながら、読み進めた。

戦前の海南島と日本の姿がとても静かに描かれている。

 

「日・中・韓平和絵本」シリーズの1冊である。

田畑精一さんの『さくら』に刺激されて、借りてきた。

 

「日本・中国・韓国の絵本作家が手をつなぎ、

子どもたちにおくる平和絵本シリーズ」

大人にもぜひ読んでほしい絵本である。