卒業アルバムに 頭を剃った写真
「動けば変わる」を最初に体験したのは、高校時代です。
当時、出身県の高校生は、みな「丸刈り」の校則に従っていました。
自分にとっては、保育園も小学4年~高校3年も、
坊主頭だったので、特に何も感じませんでした。
ところが男子の中には、髪を伸ばしたくなる生徒も出てきます。
スポーツ刈り程度でも、体育教官室に呼び出され丸刈りにされるのです。
いくらなんでも、それはおかしいということになり、生徒総会で問題になります。
すると、「髪を伸ばすのは、質実剛健の校風にふさわしくない」、
「伸ばすと不潔になる」という声が、
生徒のなかから、女子生徒からも出てきました。
「髪を伸ばしている他県の高校生は不潔なのか」
「髪をのばしたぐらいでこわれるような質実剛健か」などと反論。
まだ「人権」という明瞭な意識はなかったのです。
「髪を伸ばす自由もあれば、剃る自由もある」ということで、
20数人が髪を剃り抗議の意志をしめしました。
床屋のオヤジから「剃るとき痛いですよ」と脅されて、1回目は断念。
もう一度、決意し直して、剃ってもらったことを覚えています。
校長先生は全校集会のとき、
20数個の青々とした頭を壇上から見て、どんな気持ちだったことでしょう。
私たちは「卒業するまで、伸ばし続ける」と決意します。
しかし、2学期に剃ったわけですから、卒業までにはそれほど伸びません。
結局、呼び出され指導される事態にはなりませんでした。
卒業後、全県的な規模で「丸刈り強制」の校則は廃止されます。
これが、「動けば変わる」の原点です。
高校の卒業アルバムを見ると、頭を剃った顔がいくつもあります。
容疑者の写真に使われたら、
出家精進の姿か、あるいは危ない人間と見えるか?
誰かが声を上げる、
一人でも動き出す、
賛同者を増やす。
この時もそうでした。
* 藤の枝と葉が生い茂りました。
成長が早い。
剪定バサミが届くところまで伐りました。