ライオンの檻の前で 泣いてしまった
わが実家は、家族旅行をしたことが一度もありません。
まだ貧しい時代でした。
動物園に連れて行ってもらったのは、1回だけ。
両親が、町医者にとんでもない誤診をされ、
県都の病院に再検査するために行った、そのついでです。
両親は、そのとき暗い気持ちだったそうです。
夫婦ともども、冤罪になるところでした。
その時の写真がアルバムに残っています。
檻の前でライオンを見た瞬間、怖くて泣いてしまった。
その直後、母に抱いてもらっている写真です。
3、4歳の頃でしょうか。
全く情けないほど臆病です。
絵本で、ライオンが登場した途端、本の内容とは関係なく思い出しました。
『もりのなか』
(マリー・ホール・エッツ ぶん/え まさきるりこ やく 福音館書店 1963年)
ぼくは、かみの ぼうしを かぶり、あたらしい らっぱを もって、
もりへ、さんぽに でかけました。
すると、おおきな らいおんさんが、ひるねを していました。
らいおんは、ぼくの らっぱをきいて、めを さましました。
「どこへ いくんだい?」と、らいおんが ききました。
「ちゃんと かみを とかしたら、ぼくも ついていって いいかい?」
…
らいおんが、最初に登場します。
次に、 ぞう くま かんがるー こうのとり さる うさぎ …
そして最後は、どうなった ?
最初に登場するのが苦手なライオンだったので、ギョッとしました。
しかし、読んでいくうちに不思議な感覚に。
最後のシーンも … 。