ジェルソミーナに 久しぶりに再会できた
久しぶりに『ロミオとジュリエット』を見たと思ったら、
今度は『道』。
ラジオ・テレビ欄や、放送のスケジュール表を見ていたわけではない。
昼食をとっていたら、午後1時から『道』が放送されると予告が出た。
あと十数分。
あわてて食事を終え、用もすませた。
ジェルソミーナに会うのは、久しぶりのことである。
パッと見ても、美人には見えない。
若くもない。
だが、だんだん彼女の目、言葉づかい、しぐさ、踊る動きに惹かれていく。
いつのまにか、彼女の虜になっている。
描かれた状況が、こんなに悲惨だとは … 。
救いようがない世界に感じた。
彼女のことが印象に残ったのは、
可哀そうでかわいそうで、忘れられなくなってしまったからだろう。
ストーリーは、映画を観ているうちに思いだした。
ネタバレになるので、割愛する。
ニーノ・ロータの曲が悲しい。
『道』 フェデリコ・フェリーニ監督 イタリア映画 1954年
ジェルソミーナ ジュリエッタ・マシーナ 道化役としてザンパノを手伝う
イル・マット リチャード・ベイスハート 綱渡り芸人
監督フェデリコ・フェリーニが、神学校に籍を置いていたこと、
そこを脱走してサーカスの一座に加わったことがあったとは、知らなかった。
そういえば、小さい頃、
自分の育った田舎の港町にもサーカスがやってきたことがある。
まだ貧しい時代だった。
そういう時代に、自分も育ったのである。
映画の中の風景が、自分の小さなころと重なる。
若い人たちには、わかりにくいかもしれない。
それにしても、ジェルソミーナに再会できて、本当によかった。
かつて恋した女性に、何十年ぶりに会った感じである。