「新しいクラスは2年△組」 と聞いた途端 … 話(5)
2年目の彼のクラスは、「2年△組」。
1年のとき他のクラスだった生徒のなかには、
「2年△組」になると聞いた途端に、泣き出した子もいたそうです。
あの「1年〇組」のセンセーのクラスに入るのは嫌だ!!
さんざん悪い噂を聞いているわけですから。
旧「1年〇組」からは結果として、おとなしい子たちだけが入りました。
旧クラスの生徒たちの間では、
「おとなしい子だけを選んだんだよ」とのうわさが … 。
2年から3年にすすむときには、生徒の入替えはありません。
彼は同窓会で、3年間クラス担任をしたセートたちに聞いてみました。
「〇〇さんたちと衝突して、ずいぶん苦しみ悩んだ。知ってた?」
カノジョたちは、
「それほど深刻な対立だったとは知らなかった」とこたえました。
大人しい子たちだから、そうなのかもしれません。
彼は、2学年では自分のクラスだけ、セカイシの教科担任をしました。
他のクラスは教えません。
トラブったセートたちとの接触を避けるためです。
その後の1年間、キョーシとしての実力をつけていきます。
3学年では、自分のクラスを含め3クラスを教えることになりました。
1年のときにぶつかったセートたちの間では、
「◆◆(彼の名)に、仕返しされる」「復讐される」という噂が広まったそうです。
3年生の最初の授業は、彼もそのセートたちも大緊張。
しかしその後の1年で、両者の関係は良好なものに変わりました。
例のセート自身、「◆◆がよぉ、… 」と親しみをこめて話すようになります。
「他のクラスに散ったセートたちとは、
感情的なしこりを解消することなく別れてしまった。
それが心残りだ。
もう彼らに会うことはないだろうけど」と話していました。
彼にとって最初のクラスは、「苦すぎる思い出」になっています。
その学年のセートたち全員が卒業。
彼は、ようやく精神的に落ち着いたそうです。
以後、ジョシセートへの対応は、慎重になりました。
ジョシコー勤務最後の1年は、テンゴクになった、とか。
きっと全国には、彼と同じように、
悩みながら教室に向かっている新任のセンセーはいるでしょう。
キョーシにとって、セート理解を深め、経験を積むことが大事ですね。
また、励ましてくれるセートや保護者、キョーシ仲間が近くにいたら、頑張れます。
今日も「しくじりセンセー」の話でした。