テスト中の大事件 どうやって解決した ? (108)
「センセー、あのクラスで、試験をうけたくない」
「なぜ ?」
Kセンセーから聞いた話の、つづきです。
ジョシセートが言うには、
集団でカンニングが行われているというのだ。
試験が始まるや否や、
ワーワー騒ぐ中、セートたちは答を教え合っている、と。
弱いクラス担任は、それを制止することができない。
一人のセートを注意していると、
他の場所にいるセートがカンニングし合っている。
そんな不正が行われているテストなんて、受けたくない、と。
当時、セートシドー主任をしていた。
ジョシセートの悲痛な声に、応えなければならない。
こんな状態を放置するわけには、いかない。
すぐ手を打たなければ。
翌日、朝からセートシドー担当のキョーシたちで話し合った。
放課後、そのクラスのセート全員を、教室に残した。
セートシドー担当のキョーシ7~8人が、クラスに入る。
机の列と列の間に、キョーシが一人ずつ立った。
教室の前にも、後にも。
突然、多くのキョーシが入って来たので、
セートたちは何ごとが起きたのか、静まり返る。
そして、教壇の前に立って説明した。
「昨日の○○科のテストの時に、やってはよくないことが行われました。
君たちが行ったこと、見たこと、聞いたことをそのまま正直に書いて下さい。
実名も入れて下さい。
センセーたちが、机と机の間に立っています。
キョロキョロすることはできません。
誰が何を書いたかは、わからないようにします。
安心して、正直に書いて下さい」と。
セートたちはいっせいに、白い用紙に書き始めた。
しばらくしてから、回収。
セートは、そのまま待機。
セート同士、私語をさせない。
数人のキョーシが監督をつづける。
一方、別室で、生徒たちが書いた中身を確認。
出るわ、出るわ。
誰と誰が、カンニングしていたと。
正確な数字は覚えていないが、10人前後の名前が出てきた。
名前のあがったセートたちを、次々と一人ずつ分けて呼び出した。
数人のキョーシが、それぞれ違う部屋でセートの話を聴く。
書かれたことをヒントに、事実の確認を行う。
テスト中に何をしたか。
こちらは、本人が自発的に言うまで待つ。
誘導尋問のようなことは、絶対にしない。
他のセートのことを口にしたら、そのセートにも確認する。
彼らが別々に話した内容が、すべてつながった。
記名されたセート全員が、カンニングを素直にみとめたのである。
その間に、教室に残ったセートたちを下校させた。
カンニングをしたセートたちには、次のように話した。
「これからショクインカイギで、
君たちに対してどう指導するかが話し合われる。
保護者に対して各自、自分の行ったことと、
ガッコーから呼び出しがあることなどを話しておきなさい。
連絡するので、自宅で待機すること」。
一人一人、また別々に下校させた。
ショクインカイギで、話し合いが行われ、次のようなことが決められた。
カンニングしたテストの点数は、無効。
そして「○日間の、学校謹慎」。
そのクラスだけ、全員がその教科のテストをやりなおした。
キンシン中、セートは別々の部屋で指導される。
出された課題の自習と、反省文。
個別のカウンセリング。
そんなこんなで、集団カンニングの事件は片づいた。
さて、Kセンセーと、眼を飛ばしたセートとの関係は、
その後どうなったでしょうか ?
つづきは、近いうちに。