定期テスト中に 大事件が起きた (107)
「兄ちゃん、セートに負けたら、絶対ダメだよ。
負け犬は、わかるからね」と、
キョーシに成りたての頃、従弟に言われた。
従弟はコーコー時代、バンチョ―をしていたのである。
ワルのセートたちへの対峙の仕方を教えてくれた。
久しぶりにKセンセーが語ります。
4月、ジュギョーのクラスに行くと、
かなり目つきの悪いセートがいた。
冷たい視線。
敵意を感じた。
内心、ブルッとした。
「しまった」と思ったが、もう遅い。
一瞬、こちらの目線に「弱さ」が出てしまったのだろう。
彼が、眼を飛ばして勝ったのである。
その後、彼の存在は、クラスの雰囲気を悪くしていった。
そのクラスの担任は、それに反比例して弱い。
弱いなんてものじゃない。
全く抑えがきかないのだ。
そのために荒れるクラスになった。
そして、事件が起きた。
ふつう定期テストのときには、まず教室全体が静まる。
静寂の中で、テスト用紙が配られる。
セートは黙って待つ。
「はじめ!!」の合図と同時に、テストが始まる。
ところが、このクラスは全く落ち着かないのである。
自分がそのクラスの監督の時は、怒鳴って静かにさせた。
ある試験のとき、ワーワーいうなかで、テストが始まった。
事件が起きたのは、弱いクラス担任がテスト監督のときだった。
その夜、クラス担任ではなく、
自分のところへ、そのクラスのジョシセートから電話がきた。
「センセー、あのクラスで、試験をうけたくないです」
「どうして ?」
さて、テスト中に、何が起きたとお思いになりますか ?
Kセンセーから聞いた話。
明日も続けます。