秘境 飛騨の山奥 ぽつんと一軒家 …
何が嫌いといって、ヘビが嫌いだ。
子どもの時、水田の畦道を歩いていたら、こちらに向かって泳いでくる。
やり過ごすと、また1匹、そしてまたまた。
家に逃げ帰った。
そして、ヒルも嫌いだ。
これも子どもの時、田んぼでヒルに吸いつかれ、
自分ではどうすることもできなかった。
錯乱状態におちいり、兄弟に助けてもらった。
はるか昔、明治の世のお話。
若い修行僧が、信濃に向かって、飛騨の山越え。
薬売りの男を心配してあとを追う。
ヘビと山ヒルが出てくる。
修行僧の話を聞いていて、ゾクゾクする。
難をのがれて、秘境、山奥のポツンと一軒家にたどりつく。
今度は、そこで妖しく美しい女に会う。
僧は、身体の汚れを洗い落とすために谷川へ。
身体を清めていると、そこへ美女がやってくる。
裸身の美女が、僧の傷ついた身体を流してあげる。
サル、カエル、コウモリ … も登場。
一夜あけて、僧は山を下る。
しかし、そこで僧は迷う。
薬売りの運命は、どうなったか。
修行僧は、何を迷ったか。
ずずさんとのやりとりで思い出し、もう一度読み直した。
何度読んでも、真に迫ってくる。
自分が、若き修行僧だったら … 、と思ってしまうのである。
修行僧の気持ち、わかる。
まだの方は、ぜひご一読を。
ちょっと古い文章だけど、妖気がただよっていて面白い。