チンは「○○コユーのケンリ」を使うなり
Kセンセーの「ケンポートーク」です。
ヴェルサイユ宮殿には、2回、研修旅行で訪ねました。
「朕は国家なり」で有名な、あのルイ14世がつくらせたものです。
もっとゆっくり見学したかったなぁ。
「朕は国家なり」とは、「私は、国家そのもの」という意味です。
国王が、すべてのコッカケンリョクを握り、
何ものにも束縛されず、自由にふるまえるということでしょう。
最近、わが国でも
「国民固有の権利は、朕の権利」という、
チンプンカンプンの主張をする人が登場しました。
気に入らない学者を排除したのも、
ケンポー第15条の「公務員を選定し、罷免する権利」を使ったのだ、というのです。
「エッ!! ウソだろう」と、驚きました。
復習しながら、話します。
まず、ケンポーとは、
コクミンが生まれながらにしてもっている「権利の一覧表」
「権利のカタログ」です。
その「国民の権利」を守るために「国家権力を縛る」のがケンポー。
国家権力には、ソーリも含まれます。
第15条は、国民が「公務員を選定する権利」=「選挙権」の条文です。
国民は、長い間、議員を選ぶ権利がありませんでした。
その「選挙権」を保障したのが、第15条です。
ところが、「国民」が選んだ国会議員、
その国会議員が選んだナイカクソーリダイジン、
そのソーリは「国民」を体現しており、
「国民固有の権利」を自由に使えるというのです。
あれツ !?
ソーリなどが、「権力を乱用しないようにした」のが、ケンポーじゃないの ?
いつのまにか、逆転している。
ソーリが、「公務員を意のままに選定できる、排除できる」と読み変えたのです。
おそろしい解釈です。
悪質な「手品」です。
そのもとで、どういうことが起きたか。
あのときも、最初に「学問への弾圧」がありました。
要するに、国民の「選挙権」の条文を、
「ソーリが、公務員を自由に選び、自由にやめさせることができる」
というふうに読みかえたのです。
「ドクサイシャ」の論理です。
なお、公務員すべてを選挙で選べるわけではないので、
一般公務員は行政の長が選びます。
その場合には、選び方、やめさせ方が「法律」で定められています。
「学術会議法」には、
会員の選考は学術会議が行い、
会員をやめさせる時も学術会議が関与すると決めています。
今回、ソーリのやっていることは、
それを無視した「違法行為」でしょう。
久しぶりの、Kセンセーの「ケンポートーク」(第18回)でした。
何となく、理解してもらえたでしょうか。
【 資料 】
第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。
選挙人は、その選択に関して公的にも私的にも責任を問はれない。