人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 587   チンは「○○コユーのケンリ」を使うなり

 チンは「○○コユーのケンリ」を使うなり

 

f:id:uwisizen:20201106074200j:plain

 

Kセンセーの「ケンポートーク」です。

 

ヴェルサイユ宮殿には、2回、研修旅行で訪ねました。

朕は国家なりで有名な、あのルイ14世がつくらせたものです。

もっとゆっくり見学したかったなぁ。

 

朕は国家なり」とは、「私は、国家そのもの」という意味です。

国王が、すべてのコッカケンリョクを握り、

何ものにも束縛されず、自由にふるまえるということでしょう。

 

最近、わが国でも

「国民固有の権利は、朕の権利」という、

チンプンカンプンの主張をする人が登場しました。

気に入らない学者を排除したのも、

ケンポー第15条「公務員を選定し、罷免する権利」を使ったのだ、というのです。

「エッ!! ウソだろう」と、驚きました。

 

復習しながら、話します。

 

まず、ケンポーとは、

コクミンが生まれながらにしてもっている「権利の一覧表」

「権利のカタログ」です。

その「国民の権利」を守るために「国家権力を縛る」のがケンポー。

国家権力には、ソーリも含まれます。

 

第15条は、国民が「公務員を選定する権利」=「選挙権」の条文です。

国民は、長い間、議員を選ぶ権利がありませんでした。

その「選挙権」を保障したのが、第15条です。

 

ところが、「国民」が選んだ国会議員、

その国会議員が選んだナイカクソーリダイジン、

そのソーリは「国民」を体現しており、

「国民固有の権利」を自由に使えるというのです。

 

あれツ !?

ソーリなどが、「権力を乱用しないようにした」のが、ケンポーじゃないの ?

いつのまにか、逆転している。

ソーリが、「公務員を意のままに選定できる、排除できる」と読み変えたのです。

おそろしい解釈です。

悪質な「手品」です。

 

ナチスヒトラーも、「何でもできる権力」を手に入れました。

そのもとで、どういうことが起きたか。

あのときも、最初に「学問への弾圧」がありました。

 

要するに、国民の「選挙権」の条文を、

「ソーリが、公務員を自由に選び、自由にやめさせることができる」

というふうに読みかえたのです。

「ドクサイシャ」の論理です。

 

f:id:uwisizen:20201106074236j:plain

 

なお、公務員すべてを選挙で選べるわけではないので、

一般公務員は行政の長が選びます。

その場合には、選び方、やめさせ方が「法律」で定められています。

 

「学術会議法」には、

会員の選考は学術会議が行い、

会員をやめさせる時も学術会議が関与すると決めています。

今回、ソーリのやっていることは、

それを無視した「違法行為」でしょう。

 

久しぶりの、Kセンセーの「ケンポートーク」(第18回)でした。

何となく、理解してもらえたでしょうか。

 

【 資料 】

第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

     全て公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

     公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

     すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。

     選挙人は、その選択に関して公的にも私的にも責任を問はれない。