「サルからヒトへの進化 間違ってます!!」 話(8)
K先生が10月に「中途採用」されて、初めて迎えた4月。
セカイシの最初の授業。
「サルからヒトへ」のテーマで、
アウストラロピテクス、ピテカントロプス、ネアンデルタール人、クロマニヨン人、
直立二足歩行、道具をつくる、火を使う、言葉を話す … 。
話し始めようとしました。
すると、ジョセートの一人がサッと手を上げ、立ち上がり、
「サルがヒトになったというのは、間違いです!!」と大きな声で言いました。
そして、延々と天地創造、人類創生の話が始まります。
あるシューキョーの、あるシューハの信者さんだったようです。
K先生は、「それは聖書の話で、 … 」と切り返しますが、
クラスじゅうの生徒が、拍手するなどしてカノジョを応援します。
あっという間に1時間がたち、 … 。
K先生は仕事が終わって、帰る途中、本屋に立ち寄りました。
そこで、子ども向けの『学習図鑑 せかいの歴史』を購入。
次の授業で、「サルからヒトへ」というページを開いて説明します。
さらに「聖書」の話について一つずつ指摘し始めました。
細かい内容は、省きます。
すると今度は、クラスじゅうの生徒から「大人げない!!」と。
そもそもK先生は、「採用通知」をうけたあとの
最初のコーチョー面接で、
「セカイシを担当してもらいますが、大丈夫ですか」と質問されたのでした。
大学卒業後、「就職浪人」をしていましたから、
ワラをもすがる思いで、「はい、大丈夫です」と答えます。
ところが、セカイシは大の苦手。
高校時代、いつも50~60点ぐらいしかとれなかった。
セカイシの先生からは、
「〇〇くん(彼の名)、どうしてできないかねぇ」
といつもやさしく声をかけられていたそうです。
採用されてから、毎晩遅くまで、
「翌日の授業のための勉強」が始まります。
セカイシ嫌いで、基礎ガクリョクがないわけですから、マイナスからのスタートです。
苦手な人間が教えるわけですから、さあ大変。
そんな中で、いきなり、
「センセー、間違ってます!!」の洗礼を受けたのでした。