人生百年 有為自然

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有為自然 28   「あなた、誰?」 手を握ったときの笑顔

  「あなた、誰?」 手を握ったときの笑顔

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昨日は、一人住まいの高齢者が倒れたとき、どんなことになるか。

参考になればと思い、記憶をたどってみました。

後日談を綴ります。

 

成年後見司法書士さんにバトンタッチしてからも、

いろいろ連絡がきてそのたびに出かけました。

老健施設から特別養護老人ホームへ移る時も、そうです。

そして数年ののち、義伯母の危篤の連絡があり、病院へ急行しました。

血縁の甥夫妻も駆けつけ、葬儀屋さんといろいろ相談します。

甥が、お棺に入れる死に化粧を渋るのには唖然としました。

「死に化粧はしてあげましょうよ。費用は伯母さんの預金から出るのですから」と、

思わず言ってしまいます。

その時には、かなり預金などが残っていることも、

生活保護の申請が不要なこともわかってたからです。

 

火葬場へは、甥夫婦と、お店で義伯母と親しかった客2人、

そして私、合わせて5人が行きました。

甥夫婦はお骨を嫌がったので、私が持ち帰りしばらくあずかります。

納骨は、墓石屋さんと私の二人ですませました。

 

銀行預金や株など合わせて三千万円ほど残っていたそうです。

警察の連絡を受けてシャッターを開け、

自宅兼お店に入った時は、赤貧洗うがごとき状態でした。

あんなにお金をももっていたのであれば、

自分のために使えばよかったのにと思います。

義伯父に先立たれ、子どものいない義伯母は、

老後が不安でつましい生活をしていたのでしょう。

預金がいくらあるかさえ、わからなくなっていたと思います。

 

生活保護申請のことを含め、無我夢中で駆け回ったのは何だったのだろう。

「お金と時間に余裕があるから、できるんですよ」

同僚から言われたのを思い出します。

当時、年金生活になったばかりで、非常勤の勤務でした。

 

遺品として写真を数枚もらいました。

血縁の甥姪が数人いたそうですが、彼らからお礼の一言もありませんでした。

世話をする非血縁者と、何もしなかった血縁者たち。

まるでドラマを見ているようです。

 

義伯母の「あなた、誰?」という言葉と、

わかれる時に「また、来るね」を握ってあげたときの感触と笑顔を思い出します。

少しは義伯母孝行をしたのだから、それで十分だったのかな。

自分たちのときの予習も、させてもらったわけですから。

 

* 道路のわきにサツキが咲き始めました。

  白いサツキが大好きです。