人生百年 有為自然

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有為自然 92   「無故郷者」の心に やっと生まれた「地域愛」

 

  「無故郷者」の心に やっと生まれた「地域愛」

 

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父が転勤族だったので、

生まれてから高校入学までに5回、住所が変わりました。

高校入学から大学卒業までの、下宿・寮・アパートは5か所

就職してからは、今の住まいを含めて5回

実家も、大学入学後に4回変わりました。

合わせて19回、住むところ、帰る実家が変わったのです。

 

「故郷喪失者」ではなく、最初から「故郷」がありません。

「ここが故郷だ」というところがなく、つねに「よそ者」でした。

かつて住んでいたところは、ほとんどなくなっています。

 

学校教育で「郷土愛」が強調されますが、違和感を覚えます。

 

「出身県」に愛着がありましたが、今は薄くなりました。

父が亡くなり、母が認知症で施設に入ったため、

帰るべき実家がなくなったからかもしれません。

また、出身県の過去の「偉人」たちの「偉業」の宣伝にうんざりするからです。

 

転々とした人生でした。

よく考えて見ると、人生の半分を「今住んでいる地」で過ごしています。

しかし、そのほとんどは近所づき合いのない「ぼっち住民」でした。

 

ボランティアを始めてから、ようやく地域に対する愛着が芽生えてきました。

地域のことに関わりをもち、

近所の人々とつき合うようになって初めて、「地域愛」が生まれたのです。

「地域」にかかわってこそ「地域愛」が生まれるものだとわかりました。

 

* 買ってきた料理用の小ネギの根の方を長めに切って、庭に植えました。

  雨の中、元気に育っています。