「無故郷者」の心に やっと生まれた「地域愛」
父が転勤族だったので、
生まれてから高校入学までに5回、住所が変わりました。
高校入学から大学卒業までの、下宿・寮・アパートは5か所。
就職してからは、今の住まいを含めて5回。
実家も、大学入学後に4回変わりました。
合わせて19回、住むところ、帰る実家が変わったのです。
「故郷喪失者」ではなく、最初から「故郷」がありません。
「ここが故郷だ」というところがなく、つねに「よそ者」でした。
かつて住んでいたところは、ほとんどなくなっています。
学校教育で「郷土愛」が強調されますが、違和感を覚えます。
「出身県」に愛着がありましたが、今は薄くなりました。
父が亡くなり、母が認知症で施設に入ったため、
帰るべき実家がなくなったからかもしれません。
また、出身県の過去の「偉人」たちの「偉業」の宣伝にうんざりするからです。
転々とした人生でした。
よく考えて見ると、人生の半分を「今住んでいる地」で過ごしています。
しかし、そのほとんどは近所づき合いのない「ぼっち住民」でした。
ボランティアを始めてから、ようやく地域に対する愛着が芽生えてきました。
地域のことに関わりをもち、
近所の人々とつき合うようになって初めて、「地域愛」が生まれたのです。
「地域」にかかわってこそ「地域愛」が生まれるものだとわかりました。
* 買ってきた料理用の小ネギの根の方を長めに切って、庭に植えました。
雨の中、元気に育っています。