ラスト・レッスン 「君たちも歴史の中にいるんだよ」
話(9)
今週末、1月18・19日がセンターシケンです。
Kセンセーの勤務している地域のコーコーは、
大学入試が多く行われる2月からは、「自由登校」でした。
つまり、3年生の授業はないのです。
したがって、1月末に「最後の授業」がやってきます。
彼は、「ニホンシ」の最後の授業で、
セートたちが過ごしたコーコー3年間のニュースを、
プリントにまとめて配ることにしていました。
原始・古代・中世・近世・近代・現代。
彼は必ず「すべての時代」を教えるように努力します。
もちろん、戦後史も。
そして、「ニホンシ」の最後の授業で、
「君たちのコーコー時代には、こんなことが起きていた。
君たち自身も今この瞬間に、歴史の中にいるんだよ」と伝えようとしたのです。
前年末の新聞記事の「十大ニュース」を使って、プリントを作成します。
生徒たちは、世相や、その年を表す漢字、
流行語大賞、ヒット曲などには敏感だったそうです。
「今思えば、セートたち自身に、
コーコー時代の年表をまとめさせればよかったかな」と言います。
しかし、センター試験など、大学入試の直前でもあり、
そんなことをやっている余裕はないでしょう。
退職間際の勤務校。
1月末の授業は、受験のために欠席者も多くなり、さびしい教室だったといいます。
出席者は、スイセン入試で大学・短大に合格したセートや、
センモンガッコーなどの進路が決まったセートたちでした。
「最後の授業」の出席者が、半数にも満たなかったことも … 。
今年、もし彼が授業をしていたとしたら、
プリントには、もちろん「満開のサクラ」ものせたことでしょう(笑)。
いや今は、ケンキョーイをソンタクした管理職による
チェックが強化されている ?