ボンさんが 笑った !?
僧侶をしている、高校時代の後輩から勧められた本。
坊さんが書いた本 … 、なかなか読む気になりませんでした。
ようやく手にして、思わず笑ってしまいました。
不謹慎ながら、「ボンさんが笑った」という題にしたのです。
著者が「終末期医療について考える会」に参加したいと、
会の連絡先に電話したときのことが書かれています。
「あなたが悪い人とは思わないが、
患者さんやご家族が、坊さんだけはこの会に参加してほしくないというので、
申し訳ないが遠慮してくれ」と言われました。
縁起でもないと思われたのでしょう。
印象に残った話があります。
次に紹介します。
小学校二年生の女の子、 …
「うちのお母さん、死んだら終わりなの ?
死んだら腐ったお花になって、枯れて焼かれて捨てられるの ?
…
「あのね、君のお母さんはかぐや姫さんみたいなんだよ。
もうすぐお月さまに帰る日が近づいているんだよ。 … 」
…
話を終えると、女の子はお母さんの病室に走って行きました。
「お母さ~ん」とベッドに駆け寄ると、
「お母さんって、かぐや姫さんなの?」と訊きました。
お母さんは亡くなる十日間前くらいで、
ずいぶんやせてしまっていましたが、ほっぺに手を当てて、
「そんなに美人じゃないけどね」と言いました。そして、
「お母さん、お月さまに帰るまでには、もうちょっと時間がるから、
今のうちにいっぱいお話しようね」と言いました。
…
お母さんが亡くなってしばらくして遊びに来た時、
ちょっと困ったことがありました。
「うちのお母さん、かぐや姫さんみたいにお月様に帰ったって言ったでしょ。
でもうちに来たお坊さんは極楽に行ったって言ってたよ」と言うのです。
そして、隣のおじちゃんは「天国に行った」って言ってたと。
さらに、「電報か何かで、草むらに行ったっていうのもあったよ。
草葉の陰で、っていうやつ。
あと、隣のお姉ちゃんは、お母さんはお星さまになったって。
先生、うちのお母さんはどうなったの ?」と訊かれました。
私は困ってしまい、
「う~ん、ごめん。先生まいった」と言ったら、
「先生、大丈夫」と言って、自分の( )を押さえました。
「大丈夫、お母さん、ここにいるもん」
…
長い引用になってしまいました。
女の子は、お母さんはどこにいると言ったのでしょう。
( )に入る言葉は、何だとお思いになりますか。
明日のブログに、答えを載せます。
『ミトルヒト 終末期の悲嘆に寄り添う 一人の僧侶の奇跡』
(長倉伯博 本願寺出版社 2015年)