人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 293   ボンさんが 笑った !? 

  ボンさんが 笑った !?

 

f:id:uwisizen:20200116161317j:plain

 

僧侶をしている、高校時代の後輩から勧められた本。

坊さんが書いた本 … 、なかなか読む気になりませんでした。

 

ようやく手にして、思わず笑ってしまいました。

不謹慎ながら、「ボンさんが笑った」という題にしたのです。

 

著者が「終末期医療について考える会」に参加したいと、

会の連絡先に電話したときのことが書かれています。

 

「あなたが悪い人とは思わないが、

患者さんやご家族が、坊さんだけはこの会に参加してほしくないというので、

申し訳ないが遠慮してくれ」と言われました。

縁起でもないと思われたのでしょう。

 

印象に残った話があります。

次に紹介します。

 

小学校二年生の女の子、 …

「うちのお母さん、死んだら終わりなの ?

死んだら腐ったお花になって、枯れて焼かれて捨てられるの ?

   …

「あのね、君のお母さんはかぐや姫さんみたいなんだよ。

もうすぐお月さまに帰る日が近づいているんだよ。 … 」

   …

話を終えると、女の子はお母さんの病室に走って行きました。

「お母さ~ん」とベッドに駆け寄ると、

「お母さんって、かぐや姫さんなの?」と訊きました。

お母さんは亡くなる十日間前くらいで、

ずいぶんやせてしまっていましたが、ほっぺに手を当てて、

「そんなに美人じゃないけどね」と言いました。そして、

「お母さん、お月さまに帰るまでには、もうちょっと時間がるから、

今のうちにいっぱいお話しようね」と言いました。

   …

お母さんが亡くなってしばらくして遊びに来た時、

ちょっと困ったことがありました。

「うちのお母さん、かぐや姫さんみたいにお月様に帰ったって言ったでしょ。

でもうちに来たお坊さんは極楽に行ったって言ってたよ」と言うのです。

そして、隣のおじちゃんは「天国に行った」って言ってたと。

さらに、「電報か何かで、草むらに行ったっていうのもあったよ。

草葉の陰で、っていうやつ。

あと、隣のお姉ちゃんは、お母さんはお星さまになったって。

先生、うちのお母さんはどうなったの ?」と訊かれました。

私は困ってしまい、

「う~ん、ごめん。先生まいった」と言ったら、

「先生、大丈夫」と言って、自分の(  )を押さえました。

「大丈夫、お母さん、ここにいるもん」

   …

 

長い引用になってしまいました。

女の子は、お母さんはどこにいると言ったのでしょう。

(  )に入る言葉は、何だとお思いになりますか。

明日のブログに、答えを載せます。

 

『ミトルヒト 終末期の悲嘆に寄り添う 一人の僧侶の奇跡

(長倉伯博 本願寺出版社 2015年)

 

f:id:uwisizen:20200116161343j:plain