クリスマスローズを 植え終わった
ボランティア仲間の一人が、3月に亡くなった。
生前、クリスマスローズを私にあげると言って、苗を見せてくれた。
たくさんの苗が、鉢に植わっていた。
奥さまから連絡があり、二十余鉢の苗をもらってきた。
自宅の生垣の根元などに植え、
残りを集会所の花壇のわきに植えた。
雨天続きだったため、植えるのが遅くなった。
やっと、約束を果たしたという気分である。
人生の歩みの中で、
ほんのひととき一緒に歩き、そして別れた人だ。
老人会の忘年会で、たまたま隣に座った。
地域花壇のことで話が盛り上がった。
彼は、市のアダプト制度を使って、以前から花壇をつくっていたのだ。
彼は、東日本大震災のボランティアにも参加し、
その後、現地の生牡蠣を広め販売することにも協力していた。
高齢の独居老人を訪問する仕事もしていた。
活動のすべてが、派手さのない、地味なものである。
わが家や集会所の周囲に植えた、
クリスマスローズを見るたびに、彼のことを思い出すことだろう。
これからも、彼の笑顔とともに人生をおくる。