人生百年 有為自然

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有為自然 828  老いてからしか 見えぬものがある

  老いてからしか 見えぬものがある

 

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遠く離れた実家で、一人住まいしていた母。

「今日も1日、だれとも話さなかった」と言い続けているうちに、

認知症を発症してしまいました。

現在、高齢者施設に入所中(コロナで面会謝絶)

 

もし人々と交流する適切な機会と場所があったら … と、

悔しい気持ちになります。

認知症を発症した時、すぐ近所の方が亡くなっていて、

隣の親しくしていたご夫婦は二人とも入院中でした。

 

何カ月も問題になっていた、

わが自治会の老人会への助成金問題。

 

自治会から老人会に助成金を出すことに納得できない。

老人会に集まる人々だけが、得をしている。

自治会のお金を老人会に提供するのは、不公平だ」と。

 

高齢者の孤立をふせぎ、集まる場所や時間を提供する老人会。

今ごろになって、

高齢者の健康な生活の支えになると思うようになりました。

自治会が助成金を出すのは意味があることだ、と。

 

6年前に誘われて、ダンセー最年少で老人会に入りました。

初めは、違和感だらけ。

青い山脈をみんなで歌い、輪投げダーツ、ボッチャなどをする。

毎月の例会では、誕生日のお祝い。

囲碁・将棋・麻雀・手芸・絵手紙などのグループに分かれての部活動。

 

自分には、しっくりこない。

そこで、地域に花を植える園芸部をつくりました。

そして、4か所に8つの花壇。

総延長にして50メートル。

外で植物の相手をしている方が、気楽なのです。

 

ところで自治会の助成金については、

次のような方向でまとまりそうです。

 

・ これまで毎年、自治会が老人会に助成金を出してきた経緯を尊重する。

・ 来年度の助成金額は、今まで通り。

・ 使途明細をわかりやすく報告してもらう。

・ 老人会の会員だけでなく、一般の自治会員も参加できる企画をつくってもらう。

・ 全自治会員への広報を積極的に行ってもらう。

 

若い頃は、高齢者問題は他人事であり、ピンときませんでした。

この年齢になって、初めて理解できるようになりました。

「老いてからしか見えぬものがある」

これが、今回の実感です。

 

それにしても、若い世代と高齢世代を対立させる論調には腹がたちます。

「だれもが通る道」なのに。

 

高齢者だけでなく、障害者や病気の人、

シングルマザー・ファザーなど、すべての弱者にやさしい社会。

それこそが本当に成熟した、強い社会なのだと思うのです。

 

もし第5波のあと、すみやかに高齢者にワクチンを打っていたら。

もし保健所や公立病院つぶしに狂奔していなかったら。

 

病院に占めるコロナ関連重症者数、そして死者数も少なかったのではないか。

今ごろは、もっと経済も動いたのではないかと思うのです。

 

弱者にやさしい社会は、経済の上でも強い。

経済を強くしたいのであれば、弱者を大切にする。

「逆転の発想」が必要だと思っています。

 

みなさん、どう思われますか。

 

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