雪道を 自転車で … 話(15)
「雪が降る時期になると思い出すことがある」と
Kセンセーが話します。
2校目のコーコーに、通勤していた時の話。
アパートからコーコーまでのあいだは、電車を利用することができた。
最寄り駅まで歩き、そこから3つ目の駅で降りて歩くとコーコーに着く。
しかし、歩く時間、電車を待つ時間を考えると、自転車の方がやや早い。
片道7キロ、自転車通勤を始めた。
自転車で走りながら、
アパートの最寄り駅への道を自転車で走る。
歩いている同僚に、「おはようございます」と挨拶。
同僚は、電車通勤。
そして、コーコー近くで、再びその同僚を追い抜く。
「お先に!!」。
通勤経路の線路わきは、一方通行であった。
雪がうっすらと積もったある日、パトカーが止まっていた。
あとでニュースを聞くと、
近くの別のコーコーの生徒が、そこで車にはねられて亡くなった、と。
「エーッ、あのパトカーは … 」
通過した時間は、たいして違わなかった。
それ以来、Kセンセーは雪道を走る時には、気をつけるようになった。
車通勤になってからは、ついに自転車に乗ることもやめた。
Kセンセーは、
「コーコーセーや若い人たちの死は、ショックだ」と語ります。
卒業後、自殺したセート、突然死したセートが何人も。
その話は、いつかまた。