人生百年 有為自然

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有為自然 354   彼を救ったのは 何だったのか ?   話(36)

  彼を救ったのは 何だったのか ?   話(36)

 

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Kセンセーは、

間違ってひっぱたいてしまったA子と、その父親について語りつづけます。

 

まっ赤に染めた髪、異常に長いスカートのA子。

「もう少し頑張れば卒業できる」という時期になっていた。

ところが、ガッコーを休み始めたのである。

 

何とかして卒業させたい。

ガッコー帰りに、自転車で家庭訪問をした。

ところがA子はいない。

両親だけである。

「お上がり下さい」と言われ、父親と話しをした。

 

すると父親は、自分の中学時代に住んでいた地域の、

すぐ隣の出身者であることがわかった。

郷土の酒が出た。

お互い方言で話し、盛り上がった。

結局、父親と意気投合してしまったのである。

 

酒を飲んでいる間、実はA子は2階にいた。

カノジョがそっと降りてきて覗くと、

「まだKセンセーがいる。

なぜ父と、あんなに話し込んでいるんだ」と思ったそうだ。

 

父親が、かつて有名な人物の秘書だったこともわかった。

いろいろ話が合う。

A子を何としても卒業させたいという気持ちを、両親と共有できた。

 

ジュギョー中、勘違いでひっぱたかれたにもかかわらず、

A子は父親から「Kセンセーはいいセンセーだ」と言われ続けた。

幸いにも、A子は父親のことを尊敬していた。

結局、父親の存在が娘を卒業させる力になった。

ほんとうに父親に感謝である。

 

家庭訪問をしてセートの親と酒を飲んだのは、

最初で最後のことであった。

 

数年前、遠方に住んでいた父親と「今度こそ、また飲みましょう」と電話で話した。

お元気な声だった。

しかし、その後しばらくして亡くなられた。

 

彼の人生や、今のこのクニのことなど、

もっと多くのことを飲みながら話したかった。

キョーシ人生のなかで、こんなに親しくなった父親はいない。

飲んだのは、40年ぐらい前のことである。

 

A子さんからは、毎年冬、名産の果物がとどく。

こちらもお返しを送る。

そのたびに電話で話をしている。

 

「センセー、うちらの地域では80代はワカゾーだよ。

センセーは、まだまだ若い」といつも言われる。

 

Kセンセーは、A子さんの父親に救われました。

彼はその後、何度か失敗したのち、ボーリョクを一切ふるわなくなります。

では、どういう指導に変わったのでしょう ?