人生百年 有為自然

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有為自然 353   ひっぱたいた しかし 実は …   話(35)

  ひっぱたいた しかし 実は …   話(35)

 

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Kセンセーは、語ります。

 

「Kセンセー、A子の髪の毛を何とかしてよ」と、先輩キョーシから言われた。

 

A子の髪は、まっ赤に染められていたのである。

運動会の行進の時、太陽のひかりにあたって燃えるような赤になった。

今でも覚えている。

 

制服のスカート丈も、異常に長い。

呼び出して、何度も何度も話をした。

しかし、それでも改まらない。

 

「かねて、ショクインカイギなどで生意気なことを言っているくせに、

赤い毛もスカートも、指導できないではないか」

 

先輩同僚からの視線はきびしい。

 

カリカリしていた。

ある日のジュギョーのことである。

A子が私語をしていた。

「話をやめろ」と何度か注意した。

しかし、いっこうにやめない。

かねて髪の毛を注意しても、改めないことにいら立っていた。

つかつかと歩いていき、出席簿で頭をおもいっきりはたいた。

 

あれは、指導なんかじゃない。

怒りの爆発である。

 

同窓会の時、A子に言われた。

「センセー、あの時、話していたのは私じゃなかったんだよ。

後の二人だったんだよ。

センセーは、私のことを憎かったでしょう」と。

 

エーッ、ウソだろう !1

 

しかし、同窓会での別れ際、A子にハグされた。

ちょっと大柄なセートであった。

酔った勢いだったといえ、

セートにハグされた体験なんてないので、びっくりした。

 

「父からいつも、言われていました。

お前が卒業できたのは、

今があるのは、Kセンセーのおかげだぞ。

感謝しなければいけないぞ」と。

 

Kセンセー自身は、

A子が卒業できたのは、父親の存在があったからだと思っています。

 

さて、KセンセーA子の父親との間には、何があったのでしょうか。

皆さん、どう思われますか。

これは、むずかしいと思います。