モンダイシューを解いてる セートを … 話(34)
Kセンセーは、語ります。
キョーシ生活の中で一番後悔していることは、何か。
何よりもシャカイカの基礎学力がなかったこと。
セートたちに満足のいくジュギョーができなかった。
必死に勉強したが、ダメだった。
次にセートに謝りたいのは、ボーリョクをふるったことである。
初めて担任した学年を卒業させた、1月のことである。
ニホンシの最後のジュギョーが近づいていた。
ちょうどゲンダイシを教えていたので、熱が入っていた。
ところが、前の方の列にいたセートが、
ジュギョーを無視して問題集を解きつづけていた。
その傍若無人ぶりに、ムカムカした。
そして思わず、ノートか何かでたたいてしまった。
あとで、彼女は大学ニューシのための問題集を解いていたこと、
ニューシ直前だったことがわかった。
大学を実力で受験するセートがほとんどいないジョシコーでのことである。
なぜ、穏やかに注意できなかったのだろう。
キョーシとして、心に余裕がなかったのである。
今だったら、
「問題集、解いていいぞ。
ただし、今ジュギョーでやっているところは大事なところだから、
ジュケンが終わったら聞きにこいよ」
といったような対応をしていたかもしれない。
彼女は、きっと私のことを恨んでいるだろう。
それは仕方がない。
キョーシ生活のなかで一生忘れることができない汚点の一つだ。
カノジョの顔も、しっかり覚えている。
ほんとうに申し訳ないことをした。
Kセンセーのボーリョクは少ないのですが、
このほかにも幾度かありました。
それは、超ロングロングのスカート、まっ赤に輝く髪の毛、
そんなジョシセートに対して起きたことです。
次回の「Kセンセーのはなし」に続きます。