例えば こんなところに … (88)
Kセンセーが、シューガクリョコーにつて語ります。
ホテルの廊下の見張り番。
大音量のいびきの副担任のセンセー。
眠る副担、ドアを開け閉めするセートを、びびらす。
ホテルから退去する際、
クラス担任は、セートの部屋に忘れ物がないか、見て回る。
副担任と一緒に、点検。
副担任は、私立コーコーのキョーシも経験していた。
いろいろと詳しい。
「Kセンセー、例えば、こんなところに吸殻があるんですよ」と、
笑乍ら、ゴミ箱の中を見せた。
すると、みごとに吸殻が … 。
二人部屋だった。
セートの誰と誰。
吸殻を見てしまった以上、見過ごすわけにもいかない。
そこで、呼び出す。
旅行中にセートが問題行動を起こした時は、
その程度に応じて、現地で指導が行われる。
旅行中でなければ、
喫煙は「3日間のキンシン」(当時は、自宅キンシン。のち登校キンシン)。
シューガクリョコー中だったので、クラス担任と一緒の行動。
帰りの新幹線。
二人のセートを両脇において、一緒に過ごす。
彼らと、ぼそぼそと話をする。
これでは、クラス担任もキンシンではないか。
ガッコーに帰ってから、シューガクリョコー中の報告がなされる。
多くの学年団は、「無事終了」と報告していた。
何ごとかがあっても、現地で指導したというわけだ。
Kセンセーは、職員会議で正直に全容を報告した。
のちの学年のために、である。
ところが、思わぬ反響があった。
「ゴミ箱まであさるなんて、やり過ぎだ」というのである。
そうかもしれない。
しかし別に、ゴミ箱まで漁るつもりでやったのではない。
「例えば … 」の一言がいけなかったのだ。
そのことも報告した。
でも、かねてKセンセーのことをよく思っていないキョーシたちの間では、
さんざん陰口をたたかれた。
新幹線ではキンシン、
帰ってきたら「人間性」を疑われる羽目に。
二人のセートのうちの一人は、その後も、何度も喫煙で指導された。
「一体どういう指導をしているんだ」と、ショクインの中で言われる。
2年・3年と連続して、そのセートのクラス担任を引き受けた。
彼は3年で、またしても喫煙。
「俺もタバコをやめる。
お前たちも、やめてくれ。
少なくとも、卒業するまでの7か月間。
校内、通学途中、人に目撃される場所での喫煙は」とお願いした。
二人のうち、もう一人は「卒業延期」になってしまったセートである。
その話は、またいつか。
彼らのおかげで、
毎日ハイライト2箱吸っていたタバコを、やめることができた。
セートに感謝である。
これも「塞翁が馬」か~(笑)。