深夜の帰宅で 愕然としたこと 221103
退院の日程が決まりました。
一安心です。
入院の夜のこと。
救急センターを出て、家に帰り着いたのは、午後11時半。
愕然としたのは、寒々とした玄関、暗い廊下に居間。
そこで何に気づき、何を感じたか。
この家に引っ越して30余年。
私は、夜、一人で家にいたことは一度もなかった。
必ずアイカタがいた。
そのことに初めて気づいた。
父を亡くした母、
息子と夫を相次いで亡くした叔母、
恩師が亡くなったあとの奥様、
妻を亡くした友人たち、
夫や妻に先立たれた近所の人たち … 。
彼らの夜は、どんなものだったのだろう。
いや、どんなものなのだろう。
今まで「一人の夜」というものを、実感をもって想像できなかった。
「高齢社会」とか「独居老人」という言葉を、いかに軽く使ってきたことか。
その本当の姿を、まるでわかっていなかった。
独身生活が長かったので、「一人の夜には強い」と思い込んでいた。
しかし、そうではなかった。
独身時代は、まだ「人生上り坂」。
仕事に熱中し、同僚と飲み歩き、疲れたら寝る。
そういう生活だった。
しかし、今回は、
アイカタと一緒の生活が30余年つづいたあとの「人生下り坂」のアラセブ。
まるで違う。
午前1時半、「とにかく身体を休ませなきゃ」とベッドに入る。
しかし、5時には目が覚めてしまった。
パートナーを失った「独居老人の夜」がどんなものなのか。
何という孤独感・寂寥感。
それを初めて実感した夜でした。