ピーポーピーポーの音が 聞こえる 221208
勤めている頃、何度か救急車に乗った。
ただちに命の危険に関わるというものではなかった。
野球バットの素振りが、10代の男子の頭にあたったのである。
自分は、彼の付き添い(代理として)で救急車に乗った。
本人と一緒に待合室で、長いこと待たされた。
救急車で来たのに、こんな扱いをされるのか。
じつに変な気分であった。
血縁でないギオバを救出した時は、なぜか焦りはなかった。
30年余に、冠婚葬祭で2度しか会っていない。
誰も縁者がいないので、何とかしなければと思った。
ただただ必死になっていただけである。
わが団地は、高齢化率50%を越えている。
救急車のピーポーピーポーの音が絶えない。
その音になれてしまった。
完全に生活音になっている。
今回、救急者に乗った。
一命に関わるものであった。
それ以来、ピーポーピーポーの音が違って聞える。
あの音のもとで、生きるか死ぬかの患者本人と、
必死になっている付き添いの人。
日常音が、非日常音になったのである。
教訓 救急車のピーポーピーポーの音は、
救命救急の事態を体験してみて初めて、その意味がわかった。