頭のてっぺんから つま先まで
♫ ○○はいつでも 初舞台 ~ 240726
髪を洗うたびに、気になっていた。
頭に「こぶ」のようなものができているのだ。
痛くも痒くもない。
化膿しているわけでもない。
最初、吹き出物かと思った。
もう1カ月以上もたつ。
不安なので、皮膚科に行った。
「あ~、○○性○○症ね。
あなたのお友だちにも、いっぱいできている人いるでしょう。
ウィルス性ではなく、悪質なものではありません」と。
医師の話は、初耳のことばかりだった。
これから1週間ごとに、患部に液体窒素をあて、
少しずつ除去するとのことだった。
またまた病院通いである。
液体窒素とは、なつかしい。
学生時代、あのT大で液体窒素運搬のバイトをしていた時期があった。
大きな貯蔵タンクから、
さまざまな大きさの容器に入れてトラックで運んでいたのだ。
「毎日、T大に通っている」と、周りを笑わせていた。
しかし、その重い作業で膝をすりつぶした。
半月板損傷となり、その後、走ることができない身体になってしまった。
話を現在に戻す。
アイカタの訪問リハビリが始まった。
毎週、作業療法士さんがやってくる。
「ご主人の足も、ひどいですね」と言った、あの療法士さんだ。
アイカタのリハビリが終わったあと、
私に「つま先立ちしてみてください」と。
アッ !!
足の指が上がったままだ。
「これだ~ !!」
今まで全く自覚したことがなかった。
自分がいかに「浮き指」であったか。
偏平足というより、浮き指の方が問題だ。
足指に力を入れない生活が、
偏平足や外反母趾を生み出したのだ。
それ以来、足の爪で地面を蹴る感じで歩いている。
冒頭に戻る。
頭にできたのは「脂漏性角化症」。
聞きとれなかったので、看護師さんに紙に書いてもらった。
「老人性イボ」と言われているものだそうだ。
脂漏性角化症、浮指、高血圧、難聴、入れ歯、骨粗しょう症、腰痛、便秘 … 。
頭のてっぺんからつま先まで全身、病だらけだ。
人生は苦に満ちている。
「生老病死」。
「病」は、子どもの頃からつきまとっている。
「老」は初めての体験である。
まさかまさかの連続。
健康寿命で、静かにこの世を去るつもりだった。
ところがすでに、全身ボロボロ。
老いさらばえてきているのだ。
頭の中に歌詞とメロディーが流れて来た。
♫ 老いは いつでも初舞台 ~
しかし、このまま引き下がるわけにはいかない。
残りの「老い芝居」を、思い切り演じなければならない。
静かに、強かに。
みんなで、舞いましょう。