人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 75   県都への峠道 無人のサービスエリアで    母とジュースを飲む

 

   県都への峠道 無人のサービスエリアで

  母とジュースを飲む

 

f:id:uwisizen:20190615042650j:plain

 

認知症を発症したあとの母と過ごした1週間は、静かで落ち着いたものでした。

最後の日に「これから病院に行こうね」といって、車に乗せます。

県都にある病院に、検査入院するためです。

 

地方の有料道路は、すいています。

途中、無人サービスエリアがありました。

トイレ休憩のために止まります。

自販機でジュースを買って、二人で飲みました。

緑の山々を見ながら、

母がもう二度と実家に帰ることはないだろうと思うと、涙が溢れそうになります。

母に気づかれないように涙をこらえました。

 

そして、身内の準備した病院へ。

母は入院の後、施設に入所し、現在にいたっています。

 

無理なことだと解っていましたが、認知症を発症する前に、

「ぼくたちのところに来ない」と話したことがありました。

何度か言いましたが、そのたびに「それはできない」と断られます。

無理からぬことです。

今はすべて、身内が面倒を見てくれています。

これまで関わったことのある施設の中では、最も素晴らしいところです。

入ることができたことに、ほんとうに感謝しています。

 

しかし、モノを送れません。

電話をするのもダメです。

年に1~2回、帰郷し施設を訪ねるだけになりました。

 

まだ私のことを覚えています。

行くと、満面の笑みです。

いつまで記憶が残っていてくれるか。

2~3秒前に話したことも、もはや記憶していません。

母がくりかえし口にするのは、「お父さんは、どうしているの?」です。

父は酒乱で、夫婦喧嘩がたえなかったのに … 。

 

今年は、秋に帰ろうと思っています。

 

* 庭のミニトマトに青い実がつきました。