人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 97   水害で亡くなった 同級生

   水害で亡くなった 同級生

 

f:id:uwisizen:20190707051318j:plain


高校時代、最も影響を受けた同級生がいます。
彼は水害で亡くなりました。
40代でした。
避難を呼びかける行動もしていたと、亡くなったあとに知りました。
水害のニュースを見るたびに、彼のことを思い出します。

 

眼光鋭く、頭脳明晰、寡黙。
教師たちが一目おいていました。
国語の教師などは、他の生徒に質問した後、
必ずと言ってよいほど彼にも意見を促します。
「この男はいったい何者だ」と、気になって仕方がありませんでした。

 

彼は病気のため、高校3年時に留年しました。
つまり私たちより1歳、年上なのです。
同じクラスの者たちは、「〇〇さん」と呼んでいました。
どういうわけか、私は「さん」をつけずに「〇〇!!」と呼んでいたのです。

 

彼の存在は、ヘルマン・ヘッセ車輪の下とかぶります。
私は、僻地の中学から県都の高校へ出てきて、自信がなくオドオドしていました。
そんな自分を主人公ハンスに見立てるとすれば、彼はハイルナーです。
彼は天才肌の人間でした。

 

学校をサボること、教師を批判すること、学校に反抗すること、
そんなことを彼から学びます。
彼はいつも「〇〇(私のこと)は、本当にバカだな」と口癖のように言っていました。
でも、嫌な気はしませんでした。

 

国立大学の受験で、理科を「化学」から「地学」に変更したのも、
私大文学部の受験で、国「社」英ではなく、国「数」英にしたのも、
彼のアドバイスによるものです。
社会科は苦手だったので、数学にしてよかったと思っています。
私大に受かったのも、今の自分があるのも、彼のおかげです。

 

彼は国立大にも受かりましたが、病気を発症したため、私と同じ私大に進学しました。
ちなみに私は、国立は不合格。

 

何かあるたびに、彼が今生きていたらどう動いているだろう、と思ってしまいます。
彼だったら、きっと … 。

 

* ウォーキングしているとき、
  気になっていた花の名を調べたら、アガパンサスでした。