高校受験に向かう汽車の中で 気になる女子が …
高校時代の同級生の話のつづき。
3年生20人という小さな中学校から、
1学年500人を越える規模の、県都の高校を受験します。
受験の前の日、
県都に向かう汽車のなかに、気になる女子生徒がいました。
目の光が強烈に印象に残っています。
父親といっしょでした。
「彼女も受験生なんだろうな」と思いました。
恋、いや片想いの芽は、受験という緊張した時でも生まれるものです。
入学後、彼女も同じ高校の生徒だとわかります。
しばらくして「◇組に国語で、すごい女子がいる」という噂が伝わってきました。
何となく、汽車の中で見た彼女ではないかと思います。
想像したとおりでした。
3年になり、水害で亡くなった友達と同じクラスになります。
彼と授業をさぼって、小高い丘にのぼったときのことです。
誰が好きか、誰とつきあっているかなどということが話題になりました。
彼が「オレがつきあっているのは誰か、〇〇(私のこと)も知っているよ」と言います。
誰なのか、全くわかりません。
「△△だよ」と。
列車の中で見た、例の彼女でした。
羨ましいというより、「そうか、なるほど」と思いました。
彼も彼女も、眼の光がすごい。
天才的な二人、そういう人間同士がひきあうものだなと感服です。
二人の文学青年にくらべて、私など足元にも及びません。
大学進学後も、彼らと交友がつづきました。
彼らは同棲し結婚します。
そして、その後 … 。
彼女は今、大学教授です。
能力のある人間というのは、
高校時代から、存在がまるで違うものだなとつくづく思います。
* この間、庭で採れた野菜。
黄色いミニトマト14個、赤いミニトマト1個、ピーマン1個です。
雨が続き、低温のため、例年より少ない収穫です。