人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 129   お前は身体が弱いから 〇〇に行く前に …

  お前は身体が弱いから 〇〇に行く前に …

 

f:id:uwisizen:20190808050858j:plain

 

8月になると、いつも亡くなったのことを思い出します。

 

父は酒に酔ってから、グンタイ生活のことをいろいろ話してくれました。

敗戦の前年の暮、「△△学校」(現在は大学)を中途卒業し入隊。

実質8カ月。

戦地には行かず、国内で終戦

 

「お前は身体が弱いから、グンタイに入ったら、戦地に行く前に死ぬだろう」と、

私によく言っていました。

 

父が所属していた部隊に、

頭は良いけれども、身体の弱い同期の兵隊がいたそうです。

彼はしごかれ、下痢が止まらず、戦地ではなく内地で亡くなった、と。

 

父も上官によくなぐられたという話でした。

「大卒」の幹部候補生ですから、なおさらひどかったようです。

 

戦後、映画館で、たまたまその上等兵に会ったそうです。

上等兵殿!!」とあいさつすると、

彼はブルブル震えだし、土下座して謝ろうとしました。

センソーが終わってから、かつての部下たちに散々やられたのでしょう。

父は、「△△さん、家族の前です」と、立つことを促したと言います。

 

父の話を聞いたために、テレビに出て来る人を見ながら、いつも、

「この人は、グンタイに入ったら殴られるタイプだな」と思ってしまいます。

笑い顔、泣き顔、ふてくされ顔など、さまざまです。

 

真面目に話しているのに、笑っているように見える顔の場合、

「貴様、何だ、その顔は!!」「何がオカシイ!!」と、張り倒されるだろうと。

 

私も、殴られるタイプです。

臆病、気弱、だけど内心は反抗的、体力も運動神経もまるでダメ。

やられる要素、満載です。

 

「グンタイもセンソーも絶対にイヤだ」「皮膚感覚」で思っています。

父の「グンタイ話」のおかげでしょう。

8月は「父を思い出す月」です。

 

父の年齢の方々は、ほとんど亡くなられています。

父母・祖父母たちの体験を聞いて育った

戦争を知らない子どもたちも、そのうち … 。

 

センソーの記憶が、どんどんこの社会から消えていきます。

何とかしなければならないのですが … 。