人生百年 有為自然

人生百年。地域づくり、日々の生活、思いなどを中心にしたブログです。

有為自然 173    お父さんは 亡くなったの ?

 

   お父さんは 亡くなったの ?

 

f:id:uwisizen:20190922054920j:plain

認知症で施設に入所しているを見舞うため、

また「恩師を偲ぶ会」に出席するため、帰郷してきました。

 

予約投稿していた記事への☆マークコメントありがとうございます。

これから、お返事を書きたいと思います。

また、しばらく皆さんの記事を読んでおりませんでした。

今日は、時間をかけて読もうと思っています。

 

これまで母に会いに行くと、「〇〇(私の名)と笑顔で迎えてくれていました。

今回は、ついに私の名が出なくなりました。

「〇〇だよ」と言うと、「〇〇ね」と思い出します。

認知症になって、6年目です。

 

数秒前に話したことも、すぐに記憶が消えます。

くりかえし出て来る言葉は、「お父さんは亡くなったの?」です。

「そうだよ」

「いつ亡くなったの?」

「ずいぶん前だよ」

「だから私はここにいるの?」

「そうだよ」

「お酒が好きだったねえ。飲むと人が変わったね」

「ここは、どこ?」

「◇◇だよ」

「そうね」

 

会話がとぎれると、また繰り返されます。

「お父さんは、どこにいるの?」

「だから、私はここにいるの」

「ここはどこ?」

「おカネ(施設への費用)はどうしているの?」

「私は、寝てばかりだよ」

「本でもあればいいんだけどね」

 

母は、半世紀にわたって父の飲酒で苦労しました。

飲むと、父の人格は変わります。

今の私の年齢になっても、毎晩遅くまで酒を飲んでいました。

母の一生は、父の飲酒に振り回された一生でした。

それでも認知症になった今、「父の不在」が一番気になっているのです。

あれだけ大変な思いをしたのに、夫婦というものは傍からはわかりません。

「ビターハーフ」(苦い片割れ)ではあったけれども、

「ベターハーフ」(良き配偶者)でもあったのでしょう。

 

同居していた息子に先立たれた叔母夫婦と、

60余年連れ添った夫を亡くされた、恩師の奥様のところにも行きました。

県庁所在地ではありながら、高齢化がすすむ地方の一端を垣間見る思いでした。

 

飛行機で帰ってきて、空港からの電車の中でのこと。

アラフォーと思われる女性から「お座りになりますか?」と言われ、

「ええ。ありがとうございます」と答えて座りました。

生まれて初めて、席をゆずってもらったのです。

「次の駅で降りるのだろう」と思って、躊躇しませんでした。

ところが、彼女は5駅目に降りていきました。

私自身は10駅ほど座ることができましたので、ほんとうに助かりました。

 

ジジイとはいえ、髪はふさふさだし、

外見上はまだまだ「高齢者」に見られないと思っていたのですが(笑)

この数日間の疲れが顔に出ていたのでしょう。

「ついに席を譲られる日が来たか!!」という感じです。

 

「恩師を偲ぶ会」の話など、明日からお話したいと思っています。