春の風が 吹きました
今日は、ドクの話ではありません。
春になって、あたたかくてやさしい風が吹きました。
前にも書いたことですが、
同性愛や同性婚などについて、自分は無知・無理解でした。
皆さんは、どうですか ?
中学・高校時代、キリスト教の影響を受けて育ちました。
「神は、男と女を創りたもうた。
同性同士の関係は、自然の摂理に反する」
そう思い込んでいたのです。
その認識が変わったのは、
同性愛者でエイズ患者の方の講演を聞いてからです。
彼の容姿、話しぶり、子どものころからの話は、どう見ても「女性」。
子どものころ、女の子のような行動ゆえに、男の子たちからいじめられた話。
それを聞いた時、思わず涙がこぼれそうになりました。
彼は自分を「女性」と意識し、
ただ男性を好きになっただけなのに、ずっと苦しんできたのです。
このクニには、
同性カップルは「生産性がない」と攻撃するセージカもいます。
(だとすれば、子や孫のいない私も「生産性がない人間」です)
私も同性婚のことを、まるでわかっていませんでした。
同性パートナーは、一緒に住んでいても、同一世帯と認められない。
二世帯同居の他人とされる。
ずっと家計を同じくして暮らしていても、相続権はない。
亡くなったパートナー名義の住居に住んでいたら、立ち退きを求められることも。
税金の配偶者控除が、認められない。
子どもの親権を共同で持てない。
病院で家族としての面会や付き添い、手術の際の同意判断も許されない。
異性カップルに認められている権利が、
同性カップルにはことごとく認められないのです。
そればかりか、葬儀に立ち会うことも許されない場合もでてきます。
愛し合って、一緒に暮らしていた人間なのに、
人生の最後に、何と酷い仕打ちが待っているのでしょう。
考えただけでも、おそろしいことです。
2021年3月17日、札幌地裁は、
同性婚を認めない民法などは、「法の下の平等に反し、差別である」と断じました。
「違憲判決」を下したのです。
性的指向は自らの意思にかかわらず決定される個人の性質で、
性別や人種などと同様のものと言える。
いかなる性的指向がある人も、
生まれながらに持っている法的利益に差異はないと言わなければならない。
裁判長は、女性でした。
予想していなかった判決だけに、驚きました。
世界では、同性婚を認める国・地域が30あるそうです。
G7(先進7カ国)で、認めていないのは日本だけ。
日本でも、パートナーシップ制度を導入している自治体が、約80。
4月には100を超え、日本の総人口の半数に迫るそうです。
同性婚を認めることで困る人はいないと思うのですけど。
これまで権利を認められなかった人たちが、
異性カップルと同じ権利を得るだけだと思いませんか。
久々に、大真面目な「ケンポーばなし」になりました。
なお、憲法がつくられた頃は、同性婚についての認識がまだない時代でした。
だから「両性」という言葉が使われているのです。
以下に、日本国憲法の関連条文を載せておきます。
【資料】 日本国憲法
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民 の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。